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インタビュー
株式会社マイナビ 就職情報事業本部 事業統括部 事業推進部 粟井俊介部長に聞く

変化する環境の中でもっとも利用されている就職情報サイト
企業と学生の出会いの場としてさらに進化する「マイナビ」

企業の採用広報活動の解禁が3月からとなった2016年卒の新卒採用。就活期間の短期化による影響か、エントリー受付開始と同時に学生の動きは一気にピークに達した。今年の採用戦線の大きな特徴はこの「集中」だ。最初の1ヵ月間にどれだけ多くの学生と接触できたかが、採用の成否に大きく影響しそうである。そのような状況下、企業はどんな対応策を講じていけばいいのか。株式会社マイナビ 就職情報事業本部 事業統括部 事業推進部の粟井俊介部長に、参画企業数・登録学生数ともに日本最大となった就職情報サイト「マイナビ」に集まる最新情報と、採用成功に欠かせない戦略について、詳しい話を聞いた。
(取材日/2015年6月12日)

全業種が一段と高い採用意欲。地方も早期から動き出している

―― 2016年卒の新卒採用市場全体の動きについて、お聞かせください。

企業の採用意欲は、引き続き高い状況です。「マイナビ」の掲載社数も、この3年ほどは毎年10~15%増のペースで伸長。『マイナビ2016』に関しては、すでに1万6000社に迫る勢いで(2015年6月現在)、過去最高の参画社数です。業種としては、先行していたサービス業やIT、建設などに加えて、重工業などのいわゆるメーカーも積極採用に転じたのが今年の大きな特徴と言えます。

株式会社マイナビ 就職情報事業本部 事業統括部 事業推進部 粟井俊介部長新卒採用は徐々に「売り手市場」とも言える状況になっています。厚生労働省の調査を見ても、4月1日時点での2015年卒の大学生の就職率は96.7%と、ほぼ100%に近づいています。企業側は量よりも質を重視する「厳選採用」を掲げてはいますが、それ以上に、採用したい企業のすそ野が広がったことが、就職率の高さにつながったのだと思われます。

2016年卒では、企業の採用意欲がさらに高くなっていることから、大手企業にとっても、中堅・中小企業にとっても、質・量ともに採用目標を達成するのは決して容易ではないでしょう。明確な戦略と継続的な取り組みが、これまで以上に重要になってくるのではないでしょうか。

―― 景況感については、首都圏と地方の温度差も指摘されていますね。

たしかにここ数年は、景気回復の立ち上がりが早かった首都圏の企業が新卒採用でも先行していました。しかし、ここにきて地方でも積極的に採用に取り組む企業が目立っています。5月時点での調査では、北陸や四国で内定率が関東を上回るなど、むしろ動きが早くなっているエリアもあるほどです。

理由の一つには、選考開始を8月からとする「採用選考に関する指針」に則って活動する方針の経団連加盟企業が地方には少ないことがあるでしょう。同時に、地方企業の危機意識も大きいと思われます。地方では首都圏に比べて学生数が少なく、景気の本格的回復によってUターン・Iターンの学生の採用において、これまでほどには見込めなくなっています。手をこまねいていたら欲しい人材がとれないと判断した企業が、前倒しで動いていると考えられます。

もちろん、首都圏での採用競争も激しくなっているので、首都圏で採用しきれなかった企業が、地方の学生に目を向けることも大いにあるでしょう。新卒採用の活発化は大都市圏だけでなく、全国に波及しつつあると言えます。

採用情報オープンと同時にエントリーが集中。企業は長期戦の覚悟も

―― 今年の学生の動きや傾向について、詳しくうかがえますか。

「採用広報開始は3月、選考開始は8月」となったことの影響が、はっきりと表れています。第一の影響は「エントリー行動の3月への集中」です。12月スタートだった時は、採用情報が公開されてすぐにエントリーする学生数は、学生全体の6割ほどでした。残りの学生は年明けの後期試験を終えてから春にかけて、徐々に就職活動をはじめエントリー行動を起こしていくのが例年の流れだったわけです。しかし2016年卒では、大多数の学生が3月の就活スタートと同時にエントリーに動いたというデータが出ています。学生にとっては就活期間が3ヵ月短くなったという緊張感があったこと、また、ちょうど春休みで動きやすかったことが影響したと思われます。

株式会社マイナビ 就職情報事業本部 事業統括部 事業推進部 粟井俊介部長第二の影響として「一人当たりのエントリー社数の減少」も顕著になりました。2015年卒では、5月末時点で一人の学生が77.3社にエントリーしていましたが、2016年卒では51.6社と、約30%も少なくなっています。3ヵ月伸びた採用情報オープンまでの期間に、インターンシップ、企業主催の業界研究会やキャリアセミナーなどで企業と接触した学生が、ある程度志望先を絞り込んだ可能性があります。

大手企業はエントリーを受け付けた後、エントリーシートによる書類選考や「面談」という形での予備面接などの接触を継続していますが、はっきりした合否は8月まで出さない方向で動いています。そのため、学生側では「大手の結果待ち」の状態が続いているほか、セミナー出席などで時間もとられるため、新規の企業に追加でエントリーする余裕がなくなっていることも考えられます。

いずれも新スケジュールが発表された時からある程度は予想されていましたが、7月いっぱいまで「こう着状態」が続くことは、いざ現実になってみると企業にとっても学生にとっても厳しい側面は多いように感じます。2017年卒の採用・就職活動に向けて、検証が必要な部分でしょう。

―― 企業側の視点から採用戦線を分析すると、どんな状況でしょうか。

「マイナビ」のデータを分析すると、序盤において大手企業(従業員数1000名以上)と中堅・中小企業(1000名未満)がそれぞれ得たエントリー総数は半々でした。しかし、企業数は当然のことながら中堅・中小企業の方が圧倒的に多いので、1社当たりのエントリー数では、やはり大手が有利です。

中堅・中小企業には、経団連の指針とは関係なく、前年とほぼ同じ日程で内定を出しているところが多いようです。ただ、内定した学生の約8割が「内定しても就活は継続する」としていますので、8月以降に内定辞退されてしまう可能性も考慮しておかなくてはなりません。

従って、中堅・中小企業は、夏場から秋以降、場合によっては年明けまでの長期戦を視野に入れて活動しなければなりません。前年までならゴールデンウィーク明けから夏までに採用活動を終了させていた準大手企業も、今年は10月1日の入社式を全員そろった状態で迎えるのは難しいかもしれません。また、大手企業も総合職では8月に内定を出せたとしても、一般職や地域限定社員などは中堅・中小企業と同様に、長期戦を余儀なくされる可能性が大いにあります。

これは人事、特に採用の年間スケジュール全体が変わってしまうことを意味します。大手も中堅・中小も8月以降が大きな山場となり、従来なら夏場に多く行われていたインターンシップ受け入れが難しくなることもありそうです。2017年卒のインターンシップは、秋から冬にかけて実施するのがトレンドになってくるかもしれません。

検索結果画面をバージョンアップし、マッチング機能を大幅に強化

---『マイナビ2016』の特色、ポイントなどについてお聞かせください。

株式会社マイナビ 就職情報事業本部 事業統括部 事業推進部 粟井俊介部長「マイナビ」は企業数・学生数とも最大の就職情報サイトですが、これは「最大の出会いの場」であることを意味します。また、就職活動を行う学生のほぼ全てが登録しており、入力された膨大な志向情報や閲覧行動などをもとに、志向に合う企業と学生との「知るきっかけ」を提供することが可能です。「マイナビ」の強みであるレコメンド機能や各種特集企画、さらにこの数年で利用が急速に増えているWEBセミナー配信機能など、多彩な機能を搭載しています。「使いやすさ」「わかりやすさ」の面で学生から高評価を得ており、アンケートでも「もっともよく利用した就職情報サイト」という結果が出ています。※インターンシップ・就職情報サイト利用状況調査(2015年5月・調査委託先:楽天リサーチ株式会社)

『マイナビ2016』で特に改良を加えているのは「検索結果画面」です。多くの情報の中から絞り込んだ検索結果でも、それが数十社ずらりと並んでいると、1社ずつ企業情報画面を開いて見ていくのはかなり大変です。そこで、「マイナビ」では重要な情報をできるだけ検索結果画面で確認できるようにしてあります。2016年卒版から追加したのが、「採用実績校アイコン」と「活動状況表示」です。

「採用実績校アイコン」はもともと学生に人気のあった「先輩発見機能」のバリエーションで、学生が在籍している大学から過去に採用実績がある企業が一目でわかるものです。企業側の登録方法は簡単で、採用実績のある学校のチェックボタンを押すだけです。また、「活動状況表示機能」は就活中盤以降に重要になるもので、学生の「この企業は今も引き続き募集しているのだろうか?」という戸惑いを解消するための機能です。すでに採用活動が一段落した企業との違いがはっきり出るので、特に中堅・中小企業にとっては効果的に活用することができる機能だと考えています。

---2017年卒採用では、どのような対策をお考えでしょうか。

現状の、3月にエントリーが集中し、その後8月までこう着状態が続くというスケジュールは、改善の余地が大いにあります。企業としても十分な分析を行い、2017年卒に向けて採用戦略を再構築する必要があると思います。現行の採用スケジュール自体は経団連、さらには国が主導している部分もありますので、当面は続くが可能性が高いと見ていいでしょう。

そこで弊社が着目しているのが3年生の2月まで、つまり「就活準備」の時期です。もちろん具体的な採用広報はできませんが、秋から冬にかけてのインターンシップなどを通じて、企業の魅力を発信し仕事理解を促していくことは可能です。2017年卒の新卒採用は、この時期が一つの新たな山場になっていくのではないでしょうか。弊社もそのお手伝いができるような企画やサービスを現在準備中です。

株式会社マイナビ 就職情報事業本部 事業統括部 事業推進部 粟井俊介部長

企業データ

社名 株式会社マイナビ
本社所在地 〒100-0003 
東京都千代田区一ツ橋1-1-1
事業内容
  1. 新聞の発行及び出版事業
  2. 就職情報誌の提供、求人・採用活動に関するコンサルティング
  3. 進学情報の提供
  4. 不動産賃貸情報の提供
  5. ブライダル情報の提供
  6. 広告業
  7. インターネット等を利用した情報処理・情報提供サービス
  8. 有料職業紹介事業
  9. 労働者派遣事業
  10. 検定試験の運営
  11. ゲームソフトウエアの企画・開発・制作および販売
  12. 上記に付帯するその他の事業
設立 1973年8月15日
代表者名 代表取締役社長 中川 信行

会社情報

企画・編集:『日本の人事部』編集部

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