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専門家コラム

4コマ漫画で「採用」あるある/会社の未来を考えたホントの採用

2025-05-13 テーマ: 採用ミスマッチ/離職防止/定着

「せっかく優秀な人を採用したのに、すぐに辞めてしまった」――そんな経験に心当たりはありませんか?

いま、多くの企業が若手や即戦力人材の“離職”という壁に直面しています。その原因を「本人の忍耐力不足」や「受け入れ体制の不備」などに求めがちですが、見過ごされやすいのが、そもそも採用時点で、スキルや経歴といった表面的な条件ではなく、会社とその人が「なぜここで働くのか」という問いに対して、共通する納得感を持てていたのかという視点です。

本コラムでは、採用の現場で実際に起きている課題を整理しながら、ミスマッチや早期離職を防ぐための採用のあり方を見つめ直します。スキルや経歴だけに頼らず、「働く理由」や「選ばれる必然性」に目を向けてみることが、これからの採用のヒントになるのではないでしょうか。

 

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 ---------目次 ---------
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■採用がうまくいかないのはなぜか? 現場で起きている4つの課題
■よくある採用基準のズレ “即戦力重視”が生むミスマッチ
■これからの採用に必要な視点 働く理由と“選ばれる必然性”
■企業が選ばれるためにできること 納得感ある関係のつくり方

 

 

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採用がうまくいかないのはなぜか?

―現場で起きている4つの課題―

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求人を出しても応募が来ない。ようやく採用できたと思ったら、数か月で辞めてしまう。採用活動に悩む企業は少なくありません。現場で起きているのは、単なる「人手不足」では片づけられない、もっと複雑で根深い問題です。

1. 人が集まらない

まず多くの企業が直面しているのが、母集団形成の難しさです。少子高齢化や都市集中による労働人口の偏り、職種ごとの人気・不人気の差、さらには応募者の価値観の多様化など、さまざまな要因が絡み合い、「採用したい層に届かない」という状況を生んでいます。これまでのように求人を出せば一定数は集まるという感覚が通用しなくなり、採用活動の前提そのものが揺らいでいます。

2. 採用しても定着しない

せっかく採用しても、早期離職につながってしまうケースも増えています。「思っていた仕事と違った」「職場の雰囲気が合わない」「将来が見えない」――そんな声を残して辞めていく人も少なくありません。スキルや経験だけで判断してしまうと、その人が組織の文化や人間関係にフィットするかどうかを見落とすことがあります。働く目的や価値観が職場と一致していなければ、どんなに優秀でも定着しづらいのです。

3. 採用の判断基準があいまい

「とにかく早く人が欲しい」という焦りから、採用基準が一貫しなくなることもあります。結果として、「すぐに戦力になりそうか」「前職で活躍していたか」といった“目に見える評価項目”ばかりを頼りに判断してしまいがちです。ですが、その人がこの会社で活躍できるかどうかは、また別の話です。採用の場面では、“過去の実績”ではなく“未来への期待”に目を向ける視点が必要です。

4. 企業が選ばれる立場になっている

現代の採用は、企業が人を選ぶだけでなく、求職者からも選ばれているという前提を忘れてはいけません。「どんな会社なのか」「どんな働き方ができるのか」「どんな価値観に共感できるか」――応募者はさまざまな視点から企業を見極めています。情報発信が不足していたり、企業としての方向性が曖昧だったりすれば、「魅力が伝わらない企業」として見られてしまいます。

 

 

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よくある採用基準のズレ

―“即戦力重視”が生むミスマッチ―

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採用活動の現場では、「即戦力がほしい」「すぐに活躍できる人に来てほしい」という声をよく耳にします。人手不足や現場の多忙を背景に、即戦力を求めることは当然の判断にも思えます。しかし、“すぐに活躍してくれそうな人”と、“この会社で長く活躍し続けられる人”は、必ずしも一致しません。この視点のズレが、採用のミスマッチや早期離職につながっている可能性があります。。

 

1. 即戦力=定着・活躍ではない

たとえば「前職で成果を出していた」「同じ業界での経験がある」といった経歴は、たしかに頼もしく映ります。けれど、その人が活躍できた背景には、前職の風土や上司・同僚との関係、仕事のスタイルが合っていたこともあるはずです。つまり、「前職でうまくいったから、うちでもきっとうまくいく」は、思い込みかもしれません。組織文化や価値観が違えば、同じ力を発揮できないことも十分あり得ます。

2. 実績や肩書きに引っ張られすぎる

「有名企業出身」「マネジメント経験あり」といった肩書きやキーワードも、つい目を引きます。しかし、その情報だけで「自社に合うか」「これからの変化に対応できるか」までは見えてきません。むしろ、「前職ではこうだった」と無意識にこだわってしまい、新しい環境に馴染めないなど、過去の成功体験が変化の足かせになるケースもあります。採用の場では、“何をしてきたか”以上に、“なぜそうしてきたか”“これからどう働きたいか”を丁寧に聞いていく必要があります。

3. 面接の印象に左右されやすい

第一印象やコミュニケーションの上手さに引っ張られて、「なんとなく感じがいいから」と採用を決めてしまう場面もあります。もちろん、印象や人柄は大切な要素ですが、それだけでは「この会社で何を実現したいのか」という動機や方向性まではわかりません。表面的な“合いそう感”ではなく、本人の中に「ここで働く理由」があるかを探る視点が欠かせません。採用の場でよくある「選び方のズレ」は、実績や経験といった“過去の要素”に重心を置きすぎることから起こります。これからの採用では、会社と個人の“これから”をどう重ねていけるかに視点を移す

 

 

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これからの採用に必要な視点

―働く理由と“選ばれる必然性” ―

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採用の場でよく問われるのは、「企業が求める人物像に合っているかどうか」です。しかし、それだけで本当に“うまくいく採用”につながるのでしょうか。これからの採用において見逃せないのが、「この会社で働く理由があるか」という視点です。つまり、“企業が人を選ぶ”だけでなく、“企業自身が選ばれる理由を持っているか”を問い直す必要があるのです。

1. なぜ、この会社なのか?が語れる人

「条件が合えばどこでもいい」というスタンスと、「この会社だから働きたい」というスタンス。この2つの間には、働く姿勢そのものに大きな差があります。 “選ばれる必然性”を持っている企業には、「ここで挑戦したい」「この会社の価値観に共感した」という、本人の内側からの動機が伴います。そうした動機を持った人は、たとえ困難に直面しても、自ら意味を問い直しながら乗り越えようとする力を発揮します。

2. ビジョンの交差点があるか

企業が掲げるビジョンと、個人が描く未来像。その2つが重なっているかどうかも、大切な観点です。たとえば、企業が「社会課題の解決に取り組む」と言っていても、応募者自身がその価値を実感できなければ、働く意味としてはつながりません。「この会社なら、自分の目指したいことが実現できる」。そんな交差点が見つかったとき、人はエネルギーを持って動き始めます。採用面接の場は、その交差点を見つける対話の場でもあるはずです。

3. 「選ばれる企業」であることの意味

「ここで働く意味」が伝わる企業が選ばれる採用が売り手市場となった今、企業には応募者自身が「なぜこの会社を選ぶのか?」という問いにしっかり答えられるだけの情報発信が求められています。待遇や福利厚生といった条件面だけでなく、「この会社でどんなキャリアや成長が期待できるのか」を、候補者が具体的にイメージできるような発信が重要です。これは単に“企業の魅力をアピールする”ということではありません。候補者自身が「ここで働くことに意味を感じるかどうか」を考えるうえで、共感や納得のきっかけとなるような価値ある情報を届けるという視点が必要です。これからの採用に必要なのは、スキルや実績といった“過去の価値”に注目するだけでなく、「なぜここで働きたいのか」「この会社でどんな未来を描きたいのか」といった未来志向の動機づけに目を向けることです。

 

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企業が選ばれるためにできること

―納得感ある関係のつくり方―

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採用とは、企業が応募者を「選ぶ」場であると同時に、応募者からから「選ばれる」場でもあります。そして、うまくいく採用とは、スキルや条件のマッチングだけでなく、双方にとって納得感のある関係が築けるかどうかにかかっているのではないでしょうか。

応募者にとって「なぜこの会社を選ぶのか」
企業にとって「なぜこの人と働きたいのか」

この問いに互いが向き合うことで、ようやく“働く必然性”のある出会いが生まれます。

そうした出会いは、たとえスキルが今すぐ十分でなかったとしても、意欲や価値観の共有を通じて、やがて大きな成果につながることがあります。一方で、「すぐに戦力になるから」「条件が合っているから」という理由だけで選んだ関係は、小さなズレをきっかけに簡単に崩れてしまうことも少なくありません。

採用は、一方的な選抜ではなく、未来を共につくるパートナーを見つけるプロセスです。
企業が「選ばれる理由」を持ち、「この会社で働く意味」を相手と一緒に探していく姿勢こそが、ミスマッチや早期離職を防ぎ、長く続く関係につながっていくのではないでしょうか。

 

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4コマ漫画「会社の未来を考えたホントの採用」

※ダウンロード資料(PDF版)では漫画の小さな文字もクリアにご覧いただけます。

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株式会社エイチ・ティー(HxT) コンサルタント
何のために、なぜここで働き、どうなりたいのかがわかれば、この会社で何ができるかが見えてくる。会社と社員それぞれのビジョンを共に実現しましょう
これまで人材紹介、研修企画、人事評価コンサル等、HRサービスに従事。現在は、キャリア自律プログラム「じぶん戦略」の研修提案・運営サポートを担当。その他、"仕事あるある"にまつわる4コマ漫画や"人事課題"に関するトーク動画を制作し発信している

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