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インタビュー
株式会社リクルートキャリア 岡崎仁美リクナビ編集長に聞く

ビッグデータ分析により企業と「欲しい人材」を結ぶ
学生一人ひとりに最適化された「リクナビ」を提供

最近、学生が「働く環境」への関心を高めている。就職先を慎重に見きわめようとするあまり、風評や先入観に振り回されることになり、選択肢を狭めてしまうことが多々ある。ただ、こうした行動の背景には「自分にあった環境でしっかり働きたい」という学生たちの真摯な気持ちがあることを見逃がしてはならない。それはある意味で、自社にあった人材を求める企業の思いとも共通するからだ。そんな両者を結ぶために、ビッグデータ分析という新たな手法に取り組んでいるのが「リクナビ」だ。 (取材日/2014年1月8日)

「働く環境」への関心が高まる時代にどう対応すべきなのか

----2015年卒の新卒採用市場の傾向を、どのように分析されていますか。

株式会社リクルートキャリア 岡崎仁美リクナビ編集長12月に採用情報が解禁になる現行のスケジュールは、今年で3年目です。そのため、企業も学生も、この2年間で起きたことを踏まえた“臨戦態勢”が一層整っているように感じます。

まず企業側ですが、2014年卒では短期化した採用スケジュールの2年目、景気も回復の兆しが見えていたため、前年より採用活動を強化する企業が多く、新たな試みに取り組みたいというご相談が多くありました。どうすれば説明会の歩留まりが上がるのか、限られた時間をどの人材に使うべきか、その見極めはどうすればいいのか。この「採用効率」と「質」のバランスに関する問題は、2015年卒採用でも、引き続き多くの企業が関心を持っていると実感しています。

また、2016年卒でさらなる就職採用スケジュール変更を控えており、これまでの手法が通用しないのでは?という不安から、2015年卒でしっかり採用したいという気持ちを一段と高めている経営者・採用担当者も少なくありません。採用競争もいちだんと厳しくなることが予測され、採用戦略そのものを見なおす企業が増えています。今まで採用していなかった大学、学部、地域なども対象にする、一種のブルーオーシャン戦略を掲げているところも多くあります。従来ターゲットにしていた学生だけを狙っていても必要な人材をまかなえないという見方が共通認識になってきたため、こうした提案が社内的にも通りやすくなっているのでしょう。

一方の学生側は、12月スタートというスケジュールを経験した先輩たちがすでに2学年にわたって存在していることもあり、比較的落ち着いて動いているように感じます。単純に学生の意識が緩んだというよりは、「就活を始めるのは12月から」という感覚が浸透したゆえではないかと見ています。その証拠に12月の「リクナビ」オープン後のアクション数は、昨年よりもむしろ増えています。景気回復で大手企業が採用数を拡大、かなり積極的に学生にアプローチをしています。大手の会社説明会総数はおそらくこの5年で最大級でしょう。そうした動きを受けて、学生の足は大手企業を中心に向いているようです。

いずれにしても、2016年卒が対象となる来年はスケジュールが変わり、企業も学生ももう一度手探り状態から始めることになるでしょう。そのため、採用市場全体に「現行スケジュール最後の今年は失敗できない」という気持ちが働いているように感じます。

----そうした状況下で、中堅・中小企業が採用を成功させるために意識すべきことは何でしょうか。

近年では大学が主催する学内合同説明会に参加したり、早い時期から会社説明会を何度も行って学生との接点を増やしたりするなど、中堅・中小企業ではさまざまなアプローチを行っています。ただ、あれもこれもと欲張ってしまうと、人事部門のマンパワーが少ない中堅・中小は臨機応変な対応ができず、総崩れになってしまうこともあります。採用市場の動向を見ながら軸になる戦略を一つ決めて集中的・計画的に動くことが重要でしょう。

また、いま社会全体で「働く環境」への関心が高まっていることにも、留意してほしいと思います。特に、働く実態が見えづらい企業への学生の警戒心は非常に強くなっていて、国も無視できなくなっており、厚生労働省が企業に離職率の開示を求める動きも出ています。しかし、社員数が少ない中堅・中小企業にとって、そう簡単な問題ではありません。たとえば誰か一人でも退職すると、それが家庭事情による円満退社であったとしても数字からは「離職率が高い」という印象につながっていくからです。とはいえ、都合が悪いからと情報を隠すのは逆効果です。学生からの信頼を得るためには、離職率という結果指標のみでなく、会社の人に対する考え方や、その他社員がいきいきと働けるような仕組み・風土づくりの工夫なども含めた情報を広く開示し、仕事のやりがいや会社の社会的使命といった前向きな情報とあわせて共感を求めていくことが肝要です。

経営者や年配の管理職の中には「職場環境を気にするような学生は楽をしたいだけだから、当社にはいらない」と考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、そこでコミュニケーションを遮断してしまうと、その企業にとって有望な人材まで逃してしまうことになりかねません。いずれ入社すればわかることですから、見劣りすると気になる情報はもちろん、トップが未来に向けたスタンス表明などを自ら語り、会社の等身大の姿を学生に見せてはどうでしょうか。その大切さを、人事が先頭に立って間を取り持ち、トップへの進言や現場の協力を得て学生が志望動機が芽生えるようなコミュニケーションを社内のコンセンサスを得ながら、形づくっていくことが重要だと思います。

数百万人の活動事例を50億通り以上にパターン化して分析

---厳しい採用戦線に対応する「リクナビ2015」の特色をお聞かせください。

株式会社リクルートキャリア 岡崎仁美リクナビ編集長採用に積極的な企業が増えた結果、学生のもとに届く情報は膨大な量になっています。その中から学生が自分にあった企業の情報を探し出すのは、容易なことではありません。また、中堅・中小企業からすれば、欲しい人材にどうすれば膨大な情報の中から自社の情報を見てもらえるかということが最初の大きな課題になります。

お互いに必要としている企業と学生の出会いを、いかに実現するのか。この課題を解決するために、「リクナビ」では2014年版からビッグデータ分析を本格導入しています。過去に利用した数百万人の就職活動生の行動情報や内定を獲得した先輩の活動傾向を元に、学生一人ひとりに最適化されたの企業情報や就職活動に役立つ情報をカスタマイズして表示する機能です。そのモデルは50億通り以上で、理論的には「リクナビ」を利用するすべての学生にそれぞれ異なる情報を提供することが可能です。

この機能を利用する際に、学生が特別な設定をする必要はありません。「リクナビ」の画面はサイト上の活動状況に応じて変わっていきます。エントリーが少なくまだ活動し始めたばかりの方には就職活動そのものへの意欲を喚起するようなコンテンツが表示され、説明会や面接が近づくと企業理解を深めるための情報が提供されます。また、学生が自分では考えつかないような切り口で、それぞれの適性やポテンシャルを生かせる仕事や企業を提案します。このように学生の効率的な就職活動を支援することで、結果的にベストマッチと言える企業と出会う機会を増やしていくのが「リクナビ」の基本的な考え方です。実際、参画された中堅・中小企業からも「早い時期に採用活動を終えることができた」などといった、効率化について評価する声を多数いただいています。

また、企業に対しては、どんな情報をどのようなツールで広報するのが効率的なのかといったご提案を強化しています。たとえば、学生の時間や場所の制約を解決する「WEB説明会」は、中小企業にもすそ野が広がっています。当初は「そんなバーチャルなもので中小の魅了が伝わるのか」と懐疑的に捉える人事の方もいらっしゃいましたが、一度試してみると、チャット機能で学生の感想や質問などがリアルタイムで捉えられるため、その反応を見ながら説明を進めることができ、「対面の説明会よりむしろ手ごたえがある」という感想を抱く方が少なくありません。一方の学生にとっても、疑問に思ったことをすぐに質問でき、その場で回答が得られる場合もあり、また他の学生の感想や質問も可視化されるので非常に満足度が高いです。また会場設備を借りるなどのコストも要らず、一度に多くの学生に参加して頂けるため、マンパワーが限られている場合にも有効です。

----今年度版から新しく導入された機能としてはどのようなものがありますか。

多くの企業に注目いただいているのは、「OpenES(オープンエントリーシート)」です。学生に「ES(エントリーシート)」の提出を求める企業は、全体の9割近くにのぼりますが、学生のアンケートを見ると、就職活動において大きな負担になっていることがわかっています。特に手書きの場合、1枚書くのに約2時間かかると言われ、これを10社、20社と書いていくことは大変な作業です。

企業側からすれば、数十社もの企業に応募する学生が増えているため、手間のかかるESを「学生の本気度を試すツール」と捉えているケースも多いと思います。しかし、結果的にはESが書けないために、応募社数を減らさざるを得ない学生が出てきているのが現状です。大手企業はともかく、中堅・中小企業にとって、これは重大な機会損失とも言えましょう。

そこで「リクナビ」では、2015年版からWEB上で共通部分をあらかじめ登録・編集し、提出できる「OpenES」を導入しました。学生の負担を軽減し、それによって生まれた時間を企業研究やセミナー参加などにあててもらうことで、企業と学生の接点をより増やすことができると考えています。もちろん、企業ごとに最大3問まで質問を追加でき、独自色を出すことも可能です。推計ですが、「リクナビ」掲載企業の中でESを使用している企業のうち、6割以上の企業が、「OpenES」でのエントリーを受け付けています。手書きESにこだわるよりも、少しでも多くの学生と出会いたいと考えている企業が増えていることがわかります。

新卒版とともに既卒者版への注目度も高い「リクナビダイレクト」

---「リクナビ」以外にも、企業と学生を結ぶサービスを提供されているとお聞きしました。

企業も学生もますます多様化が進んでいます。全体に内定率が上昇した2014年卒採用でも、なかなか就職先が決まらず、年を越してからも活動を続けている学生が大勢います。また、新卒だけでは採用予定数を満たすことができず、第二新卒や既卒者にまで枠を広げて採用を続けている企業もあります。こうした既存のパターンでは出会えていない企業と学生を結ぶ機能も、私たち求人情報事業者に求められていると思います。

若者を採用したいけれど予算はかけられない、あるいは専任の人事がいないので採用のためのマンパワーが不足しているなど、主に中堅・中小・ベンチャー企業を対象としたマッチング支援サービスとしてスタートしたのが「リクナビダイレクト」です。

「リクナビダイレクト」はサイトへの企業情報の掲載のみであれば、費用はかかりません。 採用決定時に料金をいただくため、とても利用しやすくなっています。利用企業の規模を見ると、やはり従業員数300名以下の企業が多いようです。学生に対しては、必ず企業の担当者に会える事をひとつの特徴としているため、自らの志向に加え、居住地を中心に今すぐ会社訪問や説明会への参加が可能な企業情報という形で、マッチする企業をレコメンドしています。「リクナビダイレクト」は新卒版に加えて、卒業後3年目までを対象とする既卒者版もあり、いずれもご好評をいただいています。

株式会社リクルートキャリア 岡崎仁美リクナビ編集長

企業データ

社名 株式会社 リクルートキャリア
本社所在地 〒100-6623 
東京都千代田区丸の内1-9-2グラントウキョウノースタワー
事業内容 社員募集領域における人材採用広告事業/斡旋事業/選考支援事業
[厚生労働大臣許可番号 13-ユ-010258]
設立 1977年11月28日(商号変更2012年10月1日)
代表者名 代表取締役社長 水谷 智之

会社情報

企画・編集:『日本の人事部』編集部

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