「人材開発のプロ養成講座」アパレルの風雲児ビームスの新人研修
2013-08-05 テーマ: 内定者教育
今年の「人材開発のプロ養成講座2012年夏」のテーマは、
“即戦力人材” 採用/教育。
それに先立ち、講座内でご紹介する事例の一部をゲストスピーカーへのインタビューとしてご紹介していきます。
ゲストスピーカー(2):
株式会社ビームス 人材開発部 兼スタイリング統括部 原田謙太郎氏
インタビュアー(1):
株式会社エイチ・アール・ディー研究所 吉岡太郎
- 本日はお忙しいところありがとうございます。
- いえいえ。昨年は、この「人材開発のプロ養成講座」の受講者の席にいたのに、今日はインタビューというのは、ちょっと不思議な気がします。
- 「人材開発のプロ養成講座」は、ただ単に“ありがたい話”で終わらせずに、すぐに実践していただいて、しかも、何らかの手ごたえを得ていただきたい、という想いで開催していますので、企画側としても、大変嬉しいことです。
- お力になれれば幸いです。
- 2012年の「人材開発のプロ養成講座」にご参加いただいて、さっそく次の新入社員導入研修にそのノウハウを実践いただいた、ということでしたが、そのポイントはどのようなものになるのでしょうか?
- ポイント・・・。その前に、当社の新入社員の特色と、配属時の姿・・・研修の目標、というところをお話ししましょう。
- お願いします。
- まず、他の業種の採用/研修担当者の皆さんとお話しして、逆によく分かったのですが、私どもに入社してくる新入社員は「BEAMS」というブランドについて、各自のイメージや相当の思い入れを持っているんです。なので、“どんな会社なのか”について、改めてモチベーションをあげる必要はないんですね。
- それは、“うらやましい”と思う企業さんはたくさんあると思いますよ。
- いえ、しかし、イメージが強すぎるために、“正しく”会社を知る、あるいは会社での仕事を考える、というのが難しかったりもするんです。やはり学生気分で“アルバイトの延長”では困る部分は多々ありますから。
- なるほど。「学生」から「社会人」への転換、というのが新入社員研修の大きなポイントのひとつですが、ブランドの強さゆえ、より新入社員導入研修のハードルが上がっているというわけですね。
- そうかもしれません。これまでも、「BEAMS」ブランドの事業展開の幅広さや「提供される側」から「提供する側」への意識変革などを主眼に新入社員導入研修を行なってきましたが、こちら側の“伝えなければ!”という想いが強すぎたのでしょうか、どうしても新入社員が受け身になってしまい、正直物足りなさと心もとなさがあったように思います。
- 受け身、と言うと・・・?
- やはり、各レーベルや事業の紹介、というと講義中心になってしまうので、集中力が保てない受講生がいたり,接客のマナーなども「もう経験があるし、分かっているよ」とちょっと斜に構える受講生がいたり・・・。
- どこの企業さんでも、「積極性」や「自律」などをキーワードにしていますが、なかなか難しい問題ですね。
- そんな折り、「人材開発のプロ養成講座」に参加して、企画サイドの工夫でいろいろ解決できることがたくさんあるのでは、と気づかされました。
- 例えば、どんなことでしょうか?
- いえ、本当にたくさんあるのですが、今回、特に取り入れさせていただいたのは、“ブランドを知るためのインタビュー”と“ジクソーメソッド”です。
- “ジクソーメソッド”はアメリカのAronsonが実践したモデルで、意図的にグループ間で「知っていること」の差異をつけ、お互いの情報共有ができないと、全体として「全体が分かった」ようにならない、ような状態にすることで、「知る」ことにも、他のグループに「伝える」ことにも真剣にならざるを得ない、という状況を作り出すメソッドですね。
- ええ。原宿には弊社のレーベルが10以上あります。その全部をこちらが「紹介」するのはつまらない。新入社員にビジネスマナーの実践も兼ねて、自分たちで調べ、インタビューし、そして情報共有するようにしてはどうか、と考えたのです。
- インタビューというと、実際の現場、というかもう、お店に、ですか?
- ええ。アパレルのレーベル、というとともすれば華々しい面しかマスコミなどには取り上げられませんが、そのライフサイクルはとても短く、店長は、いわば、その“戦場”の最前線にいます。その店長の都合も考え、時間も考え、失礼にならないよう事前の準備をし、アポイントメントをいただき・・・と、新入社員も大変だったと思います。
- そのお膳立てを企画サイドでは行なったわけですね。
- いえ、まあ、最低限のことはやりましたが、新入社員の自主性を引き出すためには、どこまで「最低限」にとどめるか、が、むしろ難しくて。
- 「最低限」と言うと?
- 基本的には、“こういう目的で、こういう目標で動いてもらうけど、必要なことは何?”と問いかける。それから、明確なメッセージはあって“フリーライダー”つまり、みんなが頑張っている中、自分だけ「ただ乗り」はするな、ということは言ってきました。とにかく、“みんなのために”自分が何をできるのか考えろ! と。
- うーん、“考えさせる”のは分かるんですが、実際のビジネスマナーとかはどのようにしたのですか?
・・・続きは会場で。
概要はここまでです。実際の具体的な取り組みは8月19日、人材開発のプロ養成講座2013夏、
会場にて詳しくお話しいただく予定です。
講座の詳細/お申込みは→ http://jinjibu.jp/seminar/detl/22342/
株式会社エイチ・アール・ディー研究所 取締役 | |
最新の人材開発理論を、現場での実践に結びつける「Workplace Learning and Performance(WLP)」のプロ。 HPI(Human Performance Inprovement)のセオリーに則り、確実な行動変容、ビジネス成果に結びつける取り組みをお手伝いします。 |
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