中堅・中小・ベンチャー企業に特化した「[en]学生の就職情報」
就職サイトの枠を超え、
入社後の活躍も見据えたサービスを提供

----2014年度の新卒採用トレンドをどう分析されていますか。

キーワードで言い表すならば「二極化」だと思います。2013年度新卒採用から主要就職サイトのオープンが12月になったことで、学生に「就職活動は12月から始めるもの」という意識が定着したのは間違いないでしょう。そのため、全体的な動きはゆっくりしているように見えます。ただ、一部の熱心な学生は、3年生になるのとほぼ同時に、業界研究セミナーやインターンシップに参加したり、SNSなどを使ったりして就職活動の準備を始めています。中間層の学生が減り、早い時期から動く学生と12月まで動かない学生とに、二極化している印象があります。

企業側が欲しがるのは、やはり早い段階から就職を意識して動いている、自律的な学生です。普通に考えると、こうした優秀な学生は大手企業や人気企業が押さえてしまうイメージがあるかもしれません。しかし、業界研究を進め、自分にあった働き方を真剣に考えてきた学生は、「優良企業は大手ばかりではない」「自分がやりたい仕事はむしろ中堅・中小・ベンチャーにあるのではないか」とも考えています。近年は多くの大学のキャリアセンター（就職課など）が「中堅・中小・ベンチャー企業にも目を向けよう」という指導を行っているため、学生の注目度も高くなっています。つまり、現在は中堅・中小・ベンチャーにとって優秀な学生を採用するチャンスが拡大していると思うのです。

しかし、二極化しているのは学生ばかりではなく、実は企業も同様です。数少ない優秀層を採用するために独自の手法を打ち出し、就職サイト以外のチャネルも活用する熱心な企業と、そこまで力を入れられない企業とに分かれているのです。中堅・中小・ベンチャー企業の場合、資金、マンパワーの両面で後者になるケースが多いのではないでしょうか。そこで、弊社の運営する「[en]学生の就職情報」では、中堅・中小・ベンチャー企業が入社後、活躍してくれる人材を採用されることに目標を絞り、効率的な採用方法をご提案しています。

---「[en]学生の就職情報」の特色についてお聞かせください。

最大の特色は、中堅・中小・ベンチャー企業の新卒採用支援に特化していることです。学生や大学関係者の間でも、「[en]学生の就職情報」のコンセプトはすでに定着していて、登録している学生のほとんどは 、中堅・中小・ベンチャー企業への就職に高い関心を持つ学生です。そのため、大手・ブランド志向ではない学生を効率的に集め、最適なマッチングが可能です。

こうした「[en]学生の就職情報」の特色をさらに強化するための特集企画として、2014年度版からスタートさせたのが『優良成長企業特集』です。実は、学生はいろいろなところで「隠れた優良企業を探せ」と言われていて、自分たちもそうしたいと思っています。しかし、社会人経験のない学生にとっては、意外と難しいことです。じっくり考えているうちに、就職準備の貴重な時間はあっという間に過ぎてしまいます。そこで、長年就職・採用支援に関わったノウハウをもとに、「これが優良企業だ」という当社独自の基準をまとめました。それが『優良成長企業特集』なのです。

この特集の参画条件は、「(1)過去5年間のうち3年間以上で売上げを伸ばしている、または営業利益を計上している」「(2)入社3年未満の若手社員にもチャレンジングな仕事を任せている」「(3)商品開発・人材育成投資に中長期的に取り組んでいる」の三点です。この基準のポイントは、単に売上げが好調で利益が出ているだけでなく、人材の育成に力を入れている企業でなくてはならないことです。

これからの時代は、企業という組織に頼るのではなく、社員個人が地力をつけていくことが非常に大切です。私たちはこの個人の力を【Jobselectability®/仕事自己選択力®】と呼んでいますが、要するに会社がどうにかなっても、自分で新しい職場を見つけることができる能力やスキルを持とうということです。将来、もし転職しなくてはならなくなった時に役に立つだけでなく、そういう人材が育っている企業は組織としても強いはずです。この『優良成長企業特集』には、2013年1月現在で約190社に参画していただいており、年間では200社を目標にしています。

---学生に「就職すること」だけをめざすのでなく、「人材としての価値を上げること」も提案されているわけですね。

そういうことです。『優良成長企業特集』のほかにも、「Jobselectability®」を身につけられる環境のある企業を紹介する『志あるビジネスリーダー特集』という企画があります。この特集の参画条件は、「(1)経営者が企業説明会で自らビジョンを語る」「(2)入社後3年間は3ヵ月に1回以上の割合で新入社員と直接対話の機会を持つ」「(3)若手にもチャレンジングな仕事を任せる」の三点です。

中堅・中小・ベンチャー企業では、トップが本業の先頭に立つのは当たり前です。ところが、将来の会社を担うはずの新卒の採用に関しては、人事まかせという企業も多いのです。これでは企業の魅力が学生に伝わりません。歴史があって組織も完成されている大手企業ならともかく、中堅・中小・ベンチャーの場合は、トップの個性イコール企業そのものです。優秀な学生を採用するには、トップが自らの言葉で語ることが何よりも大事ですし、そういう企業こそが人材を重視する企業だと言えるでしょう。トップが若手社員の成長を自分の目で確かめるためにも、定期的な対話は欠かせませんし、仕事を任せてチャンスを与えることも重要です。

『志あるビジネスリーダー特集』は、2013年1月現在で約70社に参画していただいておりますが、今後は年間100社以上に増やしたいと考えています。『優良成長企業特集』とあわせて約300社の「優良企業」の存在を明確に示すことで、意識の高い学生にとっても魅力的な企業がそろうことになると考えています。参画企業にとっても、優秀な学生と出会える機会がさらに増えることは間違いないでしょう。

---企業に対しても、採用後のフォローを独自サービスとして提供されているとお聞きしました。

中堅・中小・ベンチャー企業の場合、採用のサポートは「入社」では終わらないと考えています。というのも、大手に比べるとやはり入社後のフォロー体制が十分でないケースが少なくないため、せっかく良い人材を採用できても、思わぬことで早期退職につながることがあるからです。

当社では、「キャリアサポートセンター」が入社後3年程度までの若手社員のフォローをお手伝いし、その成長や活躍をサポートするサービス「ERP（Employment Retention Performance）」をご提供しています。入社直前の2月に行うセミナーを皮切りに、専任スタッフが3ヵ月単位で若手社員にヒアリングを行い、困っていることや悩んでいることなどの相談に乗るほか、その結果は社員の育成・指導に活用できるように、企業側へフィードバックしています。

また、このプログラムを利用されている企業の新入社員同士による懇親会なども定期的に行い、「同期入社が少ない」という中堅・中小・ベンチャーならではの悩みの解消もお手伝いしたいと考えています。若手同士が励まし合い、情報交換しながら成長していける場をつくっていきたいと思っています。

---中堅・中小・ベンチャー企業に特化した、貴社のサービスの特徴が大変よく分かりました。本日はお忙しい中、ありがとうございました。