中堅・中小・ベンチャー企業の新卒採用支援に特化
入社後の活躍までを視野に入れたサービスを提供する[en]
世界的な経済不安が続く昨今、次世代を担う人材を採用するため、大手企業に限らず、中堅・中小・ベンチャー企業も厳選採用を行っている。しかし、中堅・中小・ベンチャー企業は、大企業と比較して知名度が低く情報量が少ないことから、選考のあらゆる段階において採用成功の難易度はより高くなっている。こうした現状に対して、「中堅・中小・ベンチャー企業に特化した新卒採用支援サービス」を提供しているのが「[en]学生の就職情報」を運営しているエン・ジャパンだ。採用支援にとどまらず、入社後の活躍までも視野に入れた同社のサービスについて聞いた。 (取材日/2011年10月26日)
学生の約6割は中堅・中小・ベンチャー企業にも関心を持っている
----2013年度新卒採用のトレンドをどう分析されていますか。
この数年、学生の大手・有名・安定志向が根強く、中堅・中小・ベンチャー企業は苦戦が続いています。有効求人倍率を見ても、従業員数5000名以上の大手企業では0.5倍なのに対して、同300名未満の中小企業では約3倍強という大きな開きがあることからも明らかでしょう。この傾向は2013年度新卒採用でも続くと見ています。
ただ、学生のすべてが大手志向なのかといえば、実はそうでもないのです。2012年度卒の就職活動学生の約6割は、「中堅・中小・ベンチャー企業にも関心があった」という回答データもあります。
2013年度に関しては就職サイトのオープンも含めて就職・採用活動が12月開始となり、学生が業界研究や志望企業の絞り込みを行う期間が例年より2ヵ月短くなります。そのため、企業規模にこだわらず、中堅・中小・ベンチャー企業にも早い段階から目を向ける学生は増えるのではないかと思います。大手中心に就職活動を行ってきて、苦労している先輩を見てきているわけですから。
また、学生は中堅・中小・ベンチャー企業に対しては「事業の独自性が高い」「若い時から責任ある仕事を任せてもらえる」「仕事を通じた知識・スキルの習得、人間的成長ができる」といったイメージを抱いている一方で、「売上や利益が安定的ではない」「採用に関する情報量が少ない」といったマイナスのイメージも持っているようです。つまり、大手企業と比較すると知名度が低い中堅・中小・ベンチャー企業であっても、他社とは違うところ、自社ならではの特色や魅力をわかりやすく伝えることができれば、より多くの学生が選択肢に入れるようになる可能性は高いのです。
中堅・中小・ベンチャー企業にとっては、これまで以上に情報の出し方を工夫し、企業規模にはこだわらずに就職活動を行う学生に自社の魅力をより具体的に伝えていくことが重要な、2013年度新卒採用といえると思います。
企業規模や知名度では計れない企業の実力を可視化する「5つの指標」
---中堅・中小・ベンチャー企業の魅力を学生にわかりやすく伝えるために、[en]ではどのような工夫をされているのでしょうか。
社名やブランドだけで多くの学生に訴求できる大企業と違い、中堅・中小・ベンチャー企業の場合は、それぞれの企業の「中身」をしっかりと伝え、学生の企業理解度を深めていくことが何よりも重要です。そこで[en]では、規模や知名度では計ることができない企業の「力」を、可視化して伝えています。
その指標は、「人財育成力」「独自力」「収益力」「社会貢献力」「正直力」の五つ。たとえば、「人財育成力」ならば、「若い社員にチャレンジングな仕事を任せているか」「実力主義の評価、給与制度があるか」「20代の管理職がいるか」「仕事への要望性が高い上司がいるか」「社内外で教育・研修の機会があるか」といった具体的な項目をチェックし、当社の取材担当者が客観的な立場で記事にし、その結果を三ツ星で表示します。
企業としては、評価されることに抵抗を感じる部分もあるかもしれません。しかし、入社後のミスマッチは十分に企業を理解出来ていなかったことが原因であるケースがほとんどです。せっかく採用しても、その企業で活躍できず、早期離職することになってしまえば双方にとってマイナスでしかありません。そういった事態を避けるためにも、きちんと企業の力を学生に伝えることが大切なのです。 一方、学生からも「企業研究をする際のポイントが分かった」と非常に好評です。
---この他に、[en]の強みといえる機能にはどのようなものがあるのでしょうか。
熱意の高い学生を識別する「アピールエントリー」という機能を設けています。 インターネットによる就職活動が主流になったことにより、企業説明会への申し込みが簡単にできるようになり、「とりあえず予約する」という学生も少なくありません。そのため、本当に自社に関心がある学生が予約できない、ということも起こりえます。企業側は説明会に、自社に高い関心や熱意を持った学生を優先的に呼び込みたいと考えるのが普通です。「アピールエントリー」とは、学生側が応募企業に対して志望度が高いことと熱意があることを伝えるためのものです。企業側はこの「アピールエントリー」を利用して説明会の申し込みをしてきた志望度の高い学生を優先的に呼び込むことができるのです。
「アピールエントリー」には、学生が適性診断や企業理解度テスト、インターンへの応募といった「[en]学生の就職情報」内の就活トレーニングメニューを受けて手に入れる「アピールエントリーの権利」が必要になります。この権利は一人最大5社分までしか得られません。この権利を使ってエントリーしてきた学生は、自社に対して高い関心と応募意欲を持っていることがすぐに分かります。
また、「スカウトメール」にも、学生の「エネルギー」や「コミュニケーション」といった独自の軸でスクリーニングできる機能を追加しました。近年の若者は、多忙な責任者になりたがらない、仕事よりプライベート優先、周囲の空気を読んで自分の意見を抑える、といった傾向が指摘されることもありますが、中堅・中小・ベンチャー企業の経営者が求めるのは、それらとはまったく逆のものでしょう。そこで、サイト内の適性診断にこうした要素をあぶりだす質問を含めることで、主体的に仕事に取り組み、しっかり自己主張できる人材をピックアップしてスカウトできるようになっています。
確かな職業観を持つ人材を育て、入社後の活躍、定着まで支援
---採用支援だけでなく入社後の活躍までを、就職サイトという枠を超えてサポートされているとお聞きしました。
「[en]学生の就職情報」2012年度版から中堅・中小・ベンチャー企業に特化した採用支援を行って気づいたことがありました。中堅・中小・ベンチャー企業における真の課題解決のためには、入社後の活躍支援が必要だということです。
中堅・中小・ベンチャー企業は人材が少ないゆえに、一人ひとりの職務領域が広く責任が大きくなります。そのため新入社員に対する期待も高くなります。しかし、手厚い教育制度が整っているわけでもなく、上司も忙しくしている中では新入社員に手をかけられる時間は限られており、そういった環境の中で気持ちの行き違いなどにより早期離職してしまうことも少なくありません。
そこで、弊社では、「ブランディング」「採用コンサルティング」「キャリアサポートセンター」により活躍支援までを一貫してお手伝いすることにしました。弊社サイトを通じて自社の強み・弱み・求める人物像をしっかり伝えることで「ブランディング」を行い、これに応じた説明会のコンテンツ考案からリクルーターのトレーニング、内定辞退者を減らすためのアドバイスにより「採用コンサルティング」を行います。そして、2013年度からは「キャリアサポートセンター」を立ち上げ、入社後のフォローを実施します。
これは、中堅・中小・ベンチャー企業の人材採用支援、入社後の活躍支援に止まらず、日本経済の将来を担う若手人材の育成につながるものと考えています。「ゆとり教育」や「大学全入化」などで“厳しさ・競争”の経験者が少なくなっており、このままでは日本の競争力が低下してしまいます。こういった状況を打破するため、「強い新卒社会人の育成」を使命に相互扶助・責任の精神を持って取組む企業による共同宣言「人間成長®宣言」を掲げ、これを実現するためのサービスを提供することにしたのです。中堅・中小・ベンチャー企業とともに、学生に対して育成視点で関わり、入社後の活躍を本気でサポートしていくことにより、真の新卒採用の成功に向けて取組んでいきたいと考えています。
---ありがとうございました。
企業データ
社名 | エン・ジャパン株式会社 |
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本社所在地 | 〒163-1333 東京都新宿区西新宿6-5-1 新宿アイランドタワー |
事業内容 |
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設立 | 2000年1月 |
代表者名 | 代表取締役会長 越智 通勝 代表取締役社長 鈴木 孝二 |