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インタビュー
株式会社ワンキャリア コンサルティングセールス事業部 執行役員 小川勇輔氏に聞く

学生からのリアルなフィードバックを採用活動のPDCAに活かす
「ONE CAREER CLOUD」

大学3年夏のインターン参加が加速するなど、就活の早期化・長期化・通年化が定着。一方で、新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩みつつあるなか、学生の動きやニーズに変化はあったのか。株式会社ワンキャリア コンサルティングセールス事業部執行役員 小川勇輔氏に、企業側が2025年卒採用に向けて押さえておくべきポイントを聞いた。

採用したい学生像を明確に描き、ニーズを理解できていることが採用成功のカギ

―― 2024年卒の新卒採用は、どのような傾向が見られましたか。

株式会社ワンキャリア コンサルティングセールス事業部 執行役員 小川勇輔さん photo

就職活動の早期化は継続していますが、22年、23年卒に比べると学生の就職活動への危機感はやや薄れる傾向が見られました。スカウトの浸透など、引き続き売り手市場であることが影響しているようですが、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和の影響も大きいでしょう。授業が対面に戻り、旅行やサークル活動などもできるようになって、学生が就活に使える時間が減っています。

そのような状況で、就活ではより効率が重視されるようになり、学生は情報収集のツールを使い分けている印象です。「どこを受けるか」を決めるための情報は、企業ホームページやSNS、当社サービスのようなCGM(ユーザーの投稿によるメディア)などのオンラインで収集。「どこに入社するか」を決めるための情報は、インターンシップや先輩の声など、オフラインで収集する傾向が見られます。

―― 企業の採用活動は、どこで成否が分かれたのでしょうか。

採用したい学生像をしっかりと理解し、ターゲットに応じた採用活動ができていたかどうかが成否を分けました。例えばターゲット学生の動きやニーズに合わせて、募集記事をどのメディアに、いつ、どんな内容で訴求するかを考えて手を打てたかどうか。うまく学生を集められていない企業は、ターゲット学生に対する理解が浅いまま、前年踏襲で意思決定をしてしまっていました。

内定をもらっても、自分にとってベストな企業を模索し続ける傾向

―― 2025年卒の採用はどのような動きが予想されますか。

今年からインターンシップのルール改正に伴い、採用活動にインターンシップに参加した学生の情報を活用できるようになりますが、企業側に対応すべきことが増えても、学生には大きな影響はないと見ています。これまでも3年の夏までに動き始める学生が多く、動き出しに変わりはないからです。

ただ、内定をもらった後の行動には変化があるかもしれません。ここ数年は新型コロナウイルス感染症の影響でリアルな情報がなく、オンライン上にあふれる情報を浅く広く集めて意志決定をしなければなりませんでした。そのため早く就活から解放されたい意識が働き、内定を手にした後は「それ以上に行きたい企業」のみに絞って就活を続ける傾向がありました。

しかし最近はオフラインの情報が増えてきたため、内定をもらったからといって選択肢を広げることをやめず、自分の人生やキャリアにどのような企業がベストなのかを模索し続ける方向へ移行しつつあると感じています。実際に、1社以上内定を持った状態で説明会に参加する学生が増えています。

―― 学生の志向に変化は見られますか。

自分の価値観を重視する傾向は、継続しているように感じます。知名度や年収以上の価値として、自分がどう生きたいのかという観点で、企業を選んでいる学生が明らかに増えています。個人として何を成し遂げたいかよりも、企業がどのような社会課題にアプローチしようとしていて、どんな企業理念やビジョン、ミッションを掲げているのか。それと自分のビジョン、ミッションが一致するかどうかで、最終的に内定承諾の意思決定をする学生が増えています。

その傾向は、インターンシップで完全対面型を希望する学生が約5割、対面とオンラインのハイブリッド希望が約4割と、対面型へのニーズの高さからもうかがえます(※)。社風や社員同士の関係性、ベンチャーの場合は社長との距離感など、実際に現場へ行ってみないとわからない情報を得るためにインターンシップに参加しています。
※2025年卒 就活実態調査、2023年7月ワンキャリア調べ

企業側も、学生の研究内容や課外活動など調べればわかる情報ではなく、自社に合いそうか、どんな価値観を持っているかなど、実際に接してみないとわからない情報を得る機会にするためにインターンシップを設計するとよいでしょう。

―― 企業は2025年卒採用に向けて、どのように活動していけばいいのでしょうか。

自社が採用したい学生の特徴を正しく把握し、そこに合わせて採用計画や施策を決めていることが勝敗を分けると言えます。最近では地下鉄の駅やYouTube広告などで採用告知を行う企業もいますが、どこに出せばターゲット学生にリーチできるのか、いつ動くのか、どんなワードが響くのかといったことを研究することが重要です。

かつては大学3年の夏からインターンシップや採用活動を行うのは外資系かベンチャーくらいしかなかったため、「早く動けば採用できる」といった時代もありました。しかし今は、どの企業も早く動いているため、採用手法で差別化することが難しくなっています。

一方で、企業イメージの打ち出し方などを工夫し、採用に成功している事例もあります。例えばある大手日系企業では、若手でも経営陣に抜てきされている実績をアピールすることで「お堅い」イメージを覆し、採用に成功しています。また、あるゲーム会社では、業界内では非常に珍しいのですが、ゲーム開発未経験でも採用することで他社との差別化を打ち出していました。

そのように工夫しながら、同時にインターンシップや説明会で競合に後れを取った場合は、競合のどの部分が魅力的に映っているのか、自社の何が伝わり、何が伝わっていないのかを分析し、改善していくといった地道な活動を行うことが非常に重要です。企業努力として改善で対応できる余地はまだまだあるはずです。

今後は、少子高齢化で人口が確実に減っていくため、さらに売り手市場へ移行していくことが予測されます。人気のある企業と学生が集まらない企業の二極化は、さらに進んでいくはずです。学生を選べる立場だった5年前、10年前までの意識のままでは、競争に負けてしまいます。面接官も同様で、以前と同じスタンスのまま面接を行ってもうまくいきません。エントリー数の減少などの変化がみられる場合は、過去に人気があった業種・企業ほど、面接官や学生の応対をする担当者の意識やふるまいを見直す必要があります。

学生・自社・競合の三つのデータを武器に採用戦略立案をサポートするONE CAREER CLOUD

―― 貴社のサービスが、企業の新卒採用における課題をどのように解決するのかをお聞かせください。

「ONE CAREER CLOUD」は学生・自社・競合の三つのデータを基に、年間を通して採用活動をサポートします。例えば採用したい学生が何月ごろエントリーを始めているのか、競合企業のインターンシップに参加した学生がどのように感じたのか、競合企業の採用スケジュールはどうかなど、定量から定性まで幅広い情報を提供。自社のインターンシップや説明会に参加した学生から、自社の魅力は伝わっているか、参加した他の学生の意識は高いと感じたかなどの生のフィードバックを得ることで、具体的な改善案を検討することができます。

また、2023年からベータ版として一部顧客への提供を開始した採用管理システムによって、自社にエントリーした学生が何次面接まで進み、どのような理由で不採用にしたのか、他社のインターンシップはどこに申し込んでいるかなど、より細かい情報も取得できるようになりました。どの企業と競合しているのかといった情報を把握した上で面接や面談に臨めるため、例えば相性が良さそうな面接官を手配する、何を重視していそうかを想像しながらトークを組み立てるなど、ほしい学生に対して対策を練ることができます。

こうしたサービスを通じて就職活動の効率化や個別最適化といったニーズに応えながら、企業と学生の良い出会いをお手伝いしたいと考えています。

株式会社ワンキャリア コンサルティングセールス事業部 執行役員 小川勇輔さん

企業データ

社名 株式会社ワンキャリア
本社所在地 〒150-0043 
東京都渋谷区桜丘町20-1 渋谷インフォスタワー16階
事業内容 キャリアデータプラットフォーム事業(採用DX支援サービス、その他)
設立 2015年8月
代表者名 代表取締役社長 執行役員CEO 宮下 尚之

会社情報

企画・編集:『日本の人事部』編集部

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