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インタビュー
株式会社キャリタス キャリタス就活編集長 林茜氏
株式会社キャリタス キャリタスリサーチ上席研究員 武井房子氏に聞く

複数の内定を得た後も続く、学生の企業研究
企業に求められるのはリアルな情報提供をはじめとするフォロー

2025年卒採用では企業の採用意欲が引き続き高く、採用活動の早期活動が進む一方で、人材確保は厳しさを増している。このような状況下、企業は2026年卒新卒採用でどのように動くべきなのか。キャリタス就活編集長 林 茜氏とキャリタスリサーチ上席研究員 武井房子氏に話を聞いた。

「売り手市場」の拡大と企業の高まる採用意欲

―― 25卒の新卒採用市場の動きをお聞かせください。

武井:採用意欲については引き続き堅調で、極めて高い状態が続いています。コロナ禍には多少の落ち込みも見られましたが、すぐに回復し、ここ2~3年は、「売り手市場」と呼べる状況になっています。

株式会社キャリタス キャリタスリサーチ上席研究員 武井房子氏 photo

当社の調査データによると、企業規模や業界を問わず採用意欲が高い状態です。特に従業員数1000人以上の企業は、35.3%が採用数増を見込んでいます。

また、採用活動で重視するテーマとして「母集団の拡大」を回答した企業は、25卒は34.7%でした。本選考の応募者が減少していることが影響していると考えられます。25卒では、57.2%の企業が本選考の応募者が前年より減ったと回答しています。「しっかり学生を集めて、多くの応募を獲得しなければ」という危機感を抱く企業が多いようです。

林:母集団の拡大を重視する傾向は、学生の間で応募する企業数を絞り込む傾向が強まっていることが一因と考えられます。

企業の採用活動の早期化に呼応し、早期から就職活動を始める学生が増えており、大学3年生の夏頃から業界研究や企業研究を始めています。3月の採用広報解禁時点では、面接試験の受験経験がある学生が79.0%、最終面接受験者が54.7%と過半数に達する状況になっています(当社3月調査)。また、売り手市場であることを多くの学生が認識しており、本当に興味のある企業や条件の良い企業にのみ応募する傾向が強まっています。

―― 25卒の採用において、成功した企業と失敗した企業の傾向にはどのような違いがありましたか。

武井:企業側の課題として多く挙げられたのが、学生の応募数の確保と内定辞退の防止です。7月に実施した当社調査では学生一人当たりで平均2.6社から内定(内々定を含む)を得ており、内定者の約7割が複数の企業から内定を得ています。そのため、内定を出しても辞退されるケースが増え、企業にとっては厳しい状況に立たされています。

林:今後の成否を分けるポイントとしては、内定後のフォロー施策が非常に重要だと思います。学生は内定をもらった後も企業研究を継続しています。選考中には聞きづらかった待遇や福利厚生についても、内定後だからこそ詳しく知りたいと考えているのです。学生の求める情報が充分に与えられていなければ、その企業への興味を失ってしまう可能性があります。

例えば、有給休暇の平均取得日数だけでなく、その取得のしやすさや取得方法など、より具体的な情報を提供できている企業が学生から評価されています。また、現場の社員との対話の機会を設けるなど、リアルな情報を提供できる企業が成功している傾向にあります。

注目度の高いインターンシップとオープン・カンパニー

―― 25卒からインターンシップの定義が変更になり、四つのタイプに分類されました。学生の動きはどうでしたか。

株式会社キャリタス キャリタス就活編集長 林茜氏 photo

林:インターンシップ等の5日間以上のプログラムへの参加を希望する学生が増えています。5日間以上のプログラムへの参加経験率は、24卒では28.5%だったのが、25卒では38.8%に増えました(当社2月調査)。プログラム参加が採用に直結しやすいという認識が、学生の間で広まっているためです。ただし、一定期間のプログラムを提供できる企業は限られており、25卒では汎用的能力・専門活用型を実施した企業は合わせて30.7%でした。参加したくても落選する学生は少なくありません。

―― 26卒学生はどのように動くと予想されますか。

武井:活動の早期化傾向は変わらないと思います。人気企業に入社するには大学3年生の夏からインターンシップ等に参加し、早期の選考に乗らなければならないという意識が浸透しています。一方で、売り手市場であるという認識から、学生の事前の企業研究が不十分なまま選考が進むケースも想定されます。志望度を十分に高められていない状態で内定を得てしまい、その後、複数の内定を比較しながらじっくりと企業研究を行う傾向が続くと見られます。

―― 26卒の採用活動において、企業はどのようなアプローチを取るべきだとお考えですか。

武井:企業の注力点としては、早期から活動を開始することで、自社を学生へ印象づけることが挙げられます。学生の志望企業リストに入るためには、広報活動やインターンシッププログラムの充実が重要になるでしょう。

25卒の学生調査によると、オープン・カンパニーへの参加経験者は全体の8割強、インターンシップへの参加経験者は3割弱でした。1日開催のオープン・カンパニーは、企業側も開催しやすく、学生も気軽に参加できるため人気があります。また、5日間以上の開催であるインターンシップは、企業と学生がじっくりとお互いを見極められるので、より注目度は高まるでしょう。

林:学生の中には、夏のインターンシップ選考に通らなかったことで自信を失い、その企業の本選考への応募を諦めてしまう人もいます。これは、実にもったいないことです。企業としては、基本的にインターンシップと本選考は別物として扱っているところがほとんどです。そのことを学生に伝え、本選考への応募を促すことも重要です。

全学年対象の統合プラットフォームで早期アプローチを可能にするサービスを提供

―― 26卒採用に向けて展開している、貴社のサービスのコンセプト、特徴をお聞かせください。

林:キャリタス就活は今年3月にフルリニューアルを完了し、1年生から4年生まで使える一つのサイトになりました。25卒向けの本選考機能を実装。また、26卒、27卒、28卒の学生については、サイト内でインターンシップ等のプログラムを探すことができます。早期から自身のキャリアについて考えるきっかけを提供し、卒業まで継続的にフォローするサービスを展開していきます。

サービスの特徴は大きく三つあります。一つ目は、対話型イベントの充実が挙げられます。合同企業説明会を本選考期とインターンシップ期の両方で展開することで、企業は学生と接点を持つ機会を増やせます。対面イベントを強化することで、より深い交流が可能になります。

新たに「スポットライト」という小規模のオンラインイベントも開始しました。このイベントは業界、職種、地域にフォーカスしているため、企業は自社に興味のある学生と効率的にコミュニケーションを取ることができます。従来のオンライン合同説明会では一方向のプレゼンテーションが主でした。しかし、「スポットライト」では、カメラとマイクをオンにした双方向のやりとりにより、オンラインでありながら対面に近い質の高い交流が可能となります。

二つ目は、クチコミで選考対策ができることです。学生は先輩学生のES、インターンシップや本選考の体験談、アドバイスを閲覧できます。企業にとっては学生の志望度の醸成につながるほか、企業理解を深めた状態で選考に訪れることも期待できます。また、クチコミとして寄せられた学生のリアルな声は、弊社の営業担当を通じて企業への採用選考フロー改善等の提案にも活用できます。

三つ目は、学生に寄り添う相談機能です。就活アドバイザーにメッセージで相談できる「あんしん相談」の利用は、累計で2000件を超えました。より気軽に相談できるLINEでのAI相談や、AIによるES添削の機能もリリースしました。

低学年から気軽に利用できるコンテンツ・サービスを拡充することにより、ご利用企業様との接点強化を図ります。

武井:学生の動きは多様化しており、早くから準備を始める学生もいれば、就職活動解禁から動き出す学生も当然います。企業は、さまざまなタイミングで学生がアクセスできるように、準備をしておく必要があります。採用ホームページの定期的な更新はもちろん、オープン・カンパニーなどのプログラムも、夏だけでなく継続的に実施できれば理想的です。学生の理解を深める場を広げることが、良い人材の獲得につながるでしょう。

林:私たちキャリタス就活は、学生に寄り添い、そのニーズを捉えたサービスを提供することで、企業様により良い人材と出会っていただくきっかけを作りたいと考えています。今後も学生と企業の架け橋となるべく、サービスの改善と拡充に努めます。

株式会社キャリタス キャリタス就活編集長 林茜氏、キャリタスリサーチ上席研究員 武井房子氏

企業データ

社名 株式会社キャリタス
本社所在地 〒112-0004
東京都文京区後楽2-5-1 飯田橋ファーストビル 9階
事業内容
  • 企業の人財採用に関するコンサルティング、採用広報活動の企画提案
  • 学生募集に関するコンサルティング
  • 人財紹介等を行う総合人財関連企業
  • 就職・進学情報メディアの企画、運営
設立 1973年10月
代表者名 代表取締役社長 新留 正朗

会社情報

企画・編集:『日本の人事部』編集部

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