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インタビュー
株式会社学情 取締役 コーポレート本部・メディアビジネス本部・経営企画部担当 乾真一朗氏
株式会社学情 メディアビジネス本部 Webメディアデザイン部 上席マネージャー 澤井則明氏に聞く

自社に最適な採用活動タイミングの見極めを
新たなツールやリアルイベント活用も鍵

新卒採用活動では、学生が企業を選ぶ目がよりシビアになっている。2025年卒採用では、自社の立ち位置を把握し、新たな採用ツールを活用したかどうかが、明暗を分けた。2026年卒採用では、企業はどう動くべきなのか。株式会社学情 取締役・乾真一朗氏、メディアビジネス本部上席マネージャー・澤井則明氏に、2025年卒の採用マーケットの総括と2026年卒の採用動向を聞いた。

コロナ禍は終焉。25卒の活動は2ヵ月前倒し

―― 2025年卒の新卒採用マーケットでは、どのような変化がありましたか。

澤井:2024年卒と比較して就職活動はさらに早期化し、開始時期は体感で1.5〜2ヵ月早まりました。あさがくナビ(朝日学情ナビ)2025年卒会員を対象にしたアンケートでは、2024年2月時点でオープン・カンパニーに参加した学生は80.7%、3年生の3月までに内々定を獲得した学生は53.7%、6月までは84.7%と、いずれも過去最高となりました。オープン・カンパニーやインターンシップに参加した企業の早期選考に応募した学生は85.7%と非常に多く、この時期からしっかりと学生と接点を持っているかどうかが勝負の分かれ目となりました。オープン・カンパニーを含めると、インターンシップなどを実施した企業は非上場企業でも7割に上ります。企業は3年生の3月から動くのでは遅い、という認識が定着しているのでしょう。インバウンドが好調のため、新型コロナウイルス感染症の拡大で打撃を受けた観光、ホテル、レジャー業界などの採用に復活傾向が見られました。

乾:2023年5月にコロナが5類感染症に移行し、企業も学生もようやくコロナ禍での就職活動から脱し、副次的にインターンシップが一層活性化しました。2年生の段階で就職を意識する学生もいる中、学生の就職意欲が高まる時期に接触を図る企業が増えた印象です。夏休みに大手企業のインターンシップに参加できなかった学生でも、リアルでの情報収集のためにビジネス知識を学べるイベントや、別企業のインターンシップに積極的に参加する姿勢が見られました。

―― 就職活動が早期化している要因として、どんなことが考えられますか。

株式会社学情 Web事業推進部 マネージャー 澤井則明氏

乾:就職率が高止まりしたことで、大学はどれだけ大手や優良企業の就職実績を増やすかという考えにシフトしています。そのため、キャリアセンターは学生にインターンシップへの参加を積極的に呼び掛け、複数社にエントリーシートを提出するように指導しているようです。その結果、低学年から就職活動への意識が高まってきています。

澤井:当社の就活準備・就職イベントは3、4年生を対象としたものが多いですが、1、2年生でも参加する人が増えてきました。大学側からも、1、2年生を対象としたイベントへの問い合わせが増えています。当社は今年4月に就職活動準備・キャリア研究イベント「Career Design Forum(キャリアデザインフォーラム)」を東京・大阪で開催しましたが、7000人以上が参加するなど予想以上の反響がありました。卒業年度を問わず、オープン・カンパニーやインターンシップの情報を求める声が高まっています。

―― 採用に成功した企業と、苦戦した企業の特徴を教えてください。

澤井:自社の採用マーケティングができているか。その上で、求める人物像を明確に定義できているかによって、明暗が分かれました。採用マーケットにおけるターゲティング・ポジショニングを行い、それに即したコミュニケーションを展開した企業や、オンラインとリアルを戦略的に組み合わせたハイブリッド型の採用活動を展開した企業は、なんとか採用計画数を充足できた傾向があります。

興味深いのは、大手のグループ企業が苦戦し始めた点です。もともと人気のある大企業は、学生の動きに沿った採用活動を行います。一方、知名度を頼りにできない中堅・中小企業は、新しい手法・ツールを積極的に使うなど、経営層を巻き込んで採用にしっかりと投資されている企業もあります。前年踏襲の採用活動に取り組むグループ企業がありますが、早期化といった採用トレンドを踏まえ、自社の採用したい人物像や採用戦略を明確にしなくてはなりません。

就活の常識をアップデートし、真のマッチングを

―― 2026年卒採用において、学生はどのような動きをすると予想されますか。

澤井:大手就職サイトだけでなく、学生は企業ホームページ、SNS、口コミ、OB・OG訪問などあらゆる視点から企業をチェックします。学生にとって働きやすい環境はもはや当たり前で、仕事内容や条件面だけでなく、パーパスや理念への共鳴など、「価値観」や「大切にしたいこと」が合致しているかを求めているのです。パーパスに共感できるか、SDGsやダイバーシティ&インクルージョンに取り組んでいるかなどへの感度が高い。一つでも残念な項目があれば候補から外すというシビアな面もあり、リアルとオンラインを最大限活用して就職活動を進めることが予想されます。

―― こうした学生の動きを踏まえて、企業は2026年卒採用活動にどう取り組むべきですか。

澤井:企業規模を問わず新卒採用活動がうまくいっている企業はほとんどないという市況感です。例えば同じ就職メディアをずっと使い続け、イベント参加にも消極的な企業は、利用するメディアを変えるべきなのか、イベントに参加するべきなのか。メディアやイベントも、スカウト特化型や理系特化型などさまざまです。まずは自社の課題を認識し、前年踏襲ではなく、自社に合った施策は何なのかを考える必要があるでしょう。

乾:毎日の残業が1時間しかないことがアピールポイントだと企業が捉えていても、「残業がある企業」とマイナスに受け取られたという話もあります。自社目線でPRするのではなく、学生がどう受け止めるかという視点で広報活動を展開する必要があります。2024年4~5月に企業・団体の人事担当者に行ったアンケートでは、3年生のうちに選考を開始する企業が8割以上に上りました。就活開始時期や学生の考え方など、採用活動の当たり前が大きく変わってきているので、どの企業も「新卒採用は厳しい」という前提に立って、これまでの常識をアップデートすることが求められます。

リアルイベントで偶発的出会いをサポート

―― 2026年卒採用に向けた貴社の商品・サービスのコンセプト、特徴について教えてください。

乾:2026年卒採用でも就職活動の早期化、売り手市場の傾向は続くでしょう。コロナ禍が一段落して対面ニーズが高まっていることもあり、引き続きリアルイベントにも力を入れていきます。リアルの強みは偶発的な出会いが生まれやすいこと。想定していなかった企業と出会い、学生の興味関心を広げることができます。

株式会社学情 Web事業推進部 マネージャー 澤井則明氏

澤井:動画へのニーズも高まっています。就職活動に役立つコンテンツを配信するYouTubeの「あさがくナビ就活チャンネル」は、チャンネル登録者数が1.2万人(2024年8月現在)となりました。企業の雰囲気や魅力を伝える「JobTube」シリーズをフルリニューアルして、業界・企業研究や人物密着など4カテゴリ―に分類。学生が必要な情報にアクセスしやすい導線を設計しました。

ダイレクトリクルーティングサービスに今秋、企業が学生に向けて一通ずつスカウトメールを送付できるヘッドハンティング機能を追加します。スカウトメール機能も一般化しているので、より特別感やオリジナリティを出すことで開封率の向上を図ります。また生成AIでスカウトメールの文面案を作成するサービスを実装。企業の採用効率を上げるサポートも行っていきます。

―― 新卒採用活動に取り組む企業に向けて、メッセージをお願いします。

澤井:自社の欲しい人物像を明確化するだけでなく、自社にとって最適な採用活動のタイミングを見極めることが大切です。早期に採用活動を開始すれば優秀で自律的な学生と出会えますが、大手企業との競争になります。自社とマッチする人材と出会える時期はいつか、どんな学生に選んでもらえるかといった視点も必要になってきます。他社の動向や最新の就職活動動向を知るために、当社のようなメディアや第三者に相談して現在のトレンドに合わせた、新しい取り組みにチャレンジいただくことも大切です。

乾:新卒採用の難易度が高まっているので、既卒や第二新卒を視野に入れてターゲット数を増やすことも考慮すべきです。新卒採用活動の早期化により、コストパフォーマンスが悪化している面もあります。新卒ブランドにこだわりすぎず、裾野を広げて通年採用を増やすことも検討すべきだと思います。

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