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インタビュー
株式会社マイナビ 事業推進統括事業部 企画推進統括部 就職情報企画推進部 部長 大塚亮氏に聞く

オープン・カンパニー など多彩なプログラム提供を
学生のニーズを理解し早期の情報発信が重要

2025年卒の新卒採用では企業の採用意欲は高い水準が続いたが、エントリー数の減少に課題を感じる企業も多かった。学生の活動はより早期化・短期化傾向が強まっている。株式会社マイナビ 事業推進統括事業部の大塚 亮氏に25卒採用の傾向とトレンドを踏まえた26卒採用の展望、企業の採用実現を支援する同社のサービスについてうかがった。

内々定後の面談やフィードバックなど、学生との接触が成功のカギ

―― 25卒採用には、どのような特徴がありましたか。

当社で行った調査から見られた学生の特徴は四つあります。一つ目は、大手企業を志望する学生が増えていること。安定志向に加え、初期配属を確定してほしいという学生のニーズが高まっています。大手企業ほど、学生が望む初期配属が明確な「ジョブ型採用」に柔軟に対応できている傾向があります。

二つ目は、夏季インターンシップへの参加数の増加です。インターンシップや仕事体験で選考を実施する企業が増えています。学生はインターンシップに参加する前から自己分析などに取り掛かるため、企業理解や選定のタイミングも年々早まっていると言えます。

三つ目は、エントリー件数の減少傾向です。平均エントリー数は21.6社と、24卒に比べて1.6社減少しています。学生の企業選定のタイミングが早まっているため、エントリーの段階である程度企業を絞り込んでいると考えられます。

そして四つ目は、早期に動いて効率的な就職活動をする学生が増えていること。就職活動にかけるタイパ(タイムパフォーマンス)を冷静に見極めているのでしょう。

―― 企業側の特徴はいかがでしょうか。採用に成功した企業の特徴も教えてください。

母集団となるインターンシップのエントリー数不足に課題を感じている企業が全体の65.9%に上り、24卒採用より増加しました。

採用充足率は従業員規模や上場・非上場で大きく差が出ています。例えば、2024年7月調査では、採用ができていない従業員1000人以上の企業は5.5%ですが、300人未満の企業では41.5%に上ります。上場企業は11.5%、非上場では33.8%と違いが表れています。

こうした特徴を踏まえると、上場企業や従業員数が多い大手企業が25卒の採用に成功した傾向にあると言えるでしょう。企業としての安定性という面もありますが、大手企業ほど前年の採用活動を振り返って改善するサイクルを実行できているからです。

採用に成功するポイントは四つあります。一つ目は、学生が活動している時期にしっかりと広報すること。インターンシップなどのプログラムに参加した学生が多い企業は、未実施の企業よりも採用充足率が高くなっています。

二つ目は、内々定後に1回以上、学生と接触すること。接触方法としては、対面の人事面談を行うケースが多いですね。学生から要望があれば、現場社員との面談を設ける場合もあります。特に注力している企業は、どの学生にどの社員を会わせるべきかを個別に検討しています。

自社の情報を十分に発信したつもりでも、学生に届いていない部分があるもの。このミスマッチを解消せず、接触の機会もない場合、学生は不安を抱えたままです。入社前の最後の一押しとして接触機会を設けることが重要です。

三つ目は、インターンシップや選考の過程で学生にフィードバックをすることです。今後の就活に生かすため、学生は良かった点だけでなく改善点も知りたいと考えています。少人数のインターンシップでは現場部署からフィードバックをしている企業もあるようです。ただ、学生へのフィードバックの方法には注意を払う必要があり、学生対応マニュアルを作成している大手企業もありますが、対応できている企業はまだまだ少ない印象です。

そして四つ目は、初任給の引き上げです。学部卒生の総合職採用で初任給を引き上げた企業は84.4%にも上ります。引き上げ幅・率は24卒よりも大きく、一番多かったのは1万円~2万円未満でした。効果は現時点で明確に言えませんが、他社との差別化や既存社員のモチベーション向上につながったというポジティブな反応が見られました。

株式会社マイナビ 事業推進統括事業部 企画推進統括部 就職情報企画推進部 部長 大塚亮氏 photo

コミュニケーションのタイミングが重要

―― 26卒採用はどのような動きが予想されますか。

就職活動の早期・短期化の流れはさらに加速するでしょう。重要なのは、学生とコミュニケーションをとるタイミングです。学生の志望度に影響する要素としては、インターンシップや選考のタイミングという声がよく聞かれました。

インターンシップだけに注力すればいいということではなく、その後の選考過程でもしっかりとフォローすることが重要です。学生の要望に合わせた企業の情報開示も積極的に進めていくべきでしょう。

―― 企業はどのように採用活動を進めたらよいでしょうか。

25卒採用に成功したのは大手企業が多いとお話ししましたが、実は25卒のおよそ3割は従業員500人未満の企業を選んでいます。インターンシップのプログラムを変更するなど、学生のニーズを理解した上で自社の認知を高められれば、大手でなくても応募につなげられる可能性は十分あります。

これまでの活動に加え、オープン・カンパニーやキャリア教育等 、就業体験がなく就職活動初期の段階でも参加できるプログラムを実施するといいでしょう。

学生が参加したいプログラムは時期によって異なります。長期休暇で時間が取りやすい夏季はインターンシップへの参加希望が多く、その後は単日・短期間で参加できる業界研究や職種研究などへのニーズが高くなります。社員交流会などで、現場の社員から生の声を聞きたい学生もいます。

また、担当者だけでなく、新卒採用が会社全体の関心事になっている方が、社内の協力を依頼しやすくなります。採用業務それぞれのフェーズに社内のどのレイヤーが参加しているかを調査したところ、採用計画の立案に経営者が関わっている企業はおよそ半分。その後の採用活動で現場の中堅・若手社員が関わっている企業は2~3割と低い割合でした。

まずは全社に採用活動の進捗や成果など、情報を定期的に共有し、社員が採用を自分事化できるよう働きかけるといいでしょう。

企業が実施するプログラムを、より探しやすく応募しやすく

―― 26卒採用に向けて貴社が注力される点を教えてください。

『マイナビ2026』から、オープン・カンパニーやキャリア教育等の就業体験がないプログラムも掲載可能としました。インターンシップを実施していない企業も、こうした単日プログラムを掲載できます。

ただ、種類が増えたことで学生が各プログラムの違いを理解できず、混乱する懸念も。この点については議論を重ね、プログラムの種類ごとに検索できるようシステムを変更しました。企業が現在実施しているプログラムを一覧化し、応募につながりやすいように改善しています。

低学年向けの取り組みにも注力しています。『My CareerStudy』という、低学年を対象としたキャリアデザインの学習コンテンツサービスを展開し、2024年7月には対面型のイベントを開催しました。企業説明会のように堅い雰囲気ではなく、スタッフがおそろいのTシャツを着るなど、気軽に参加できるようにしました。参加企業はBtoCサービスを展開している大手企業が中心。商品の認知度が高くイメージが先行しやすい企業では、多くの事業を展開していることや多種多様な職種があることを発信し、「働くことは楽しい」というメッセージを伝えていました。

就職活動が長期化しているため、担当者は今年の採用活動を行いながら、同時並行で翌年のインターンシップを運営するなど多忙です。引き続きこうした調整業務の手間を減らすことを目指したサービス改善にも取り組みます。マイナビは今後も、企業が戦略通りの採用を実現し、入社した方がその後も活躍するための活動を支援していきます。

株式会社マイナビ 事業推進統括事業部 企画推進統括部 就職情報企画推進部 部長 大塚亮氏 photo

企業データ

社名 株式会社マイナビ
本社所在地 〒100-0003 
東京都千代田区一ツ橋1-1-1
事業内容
  1. 新聞の発行および出版事業ならびに電子出版事業
  2. 就職情報の提供ならびに求人・採用活動に関するコンサルティング
  3. 宣伝、広告、ピーアール業
  4. 労働者派遣事業
  5. 有料職業紹介事業
  6. セミナー、講演会、講習会等、催事の企画、立案、実施
  7. 人材育成、企業経営のコンサルティング、教育、研修業務
  8. 高校、大学、専門学校等への進学に関する情報の提供ならびに生徒、学生の募集に関するコンサルティング 等
設立 1973年8月15日
代表者名 代表取締役 社長執行役員 土屋 芳明

会社情報

企画・編集:『日本の人事部』編集部

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