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インタビュー
株式会社リクルート 新卒Division 営業統括部 統括部長 大貫聡一郎氏
株式会社リクルート 就職みらい研究所所長 栗田貴祥氏に聞く

複雑化した学生の魅力をシンプルに言語化
企業と学生のインタラクティブなコミュニケーションを促進する「リクナビ」

SNSやスカウトサービスなど、企業と学生の接点は以前と比べて格段に増えている。採用の手法が多様化する中で、従来通りの採用活動を続けているようでは学生から選ばれず、苦戦することになる。2025年卒採用は、どのような傾向が予想されるのか。就職みらい研究所 所長の栗田貴祥氏と、「リクナビ」を運営する株式会社リクルート 新卒Division 統括部長の大貫聡一郎氏に、新卒採用の最新動向と、いま企業の採用活動がどうあるべきかを聞いた。

2023年6月1日の内定率は79.6%。就職活動の早期化が顕著に

―― 2024年卒学生にはどのような特徴がありましたか。

栗田:2023年卒採用の「企業側の採用意欲の高まり」「就職活動の早期化」といった現象が、2024年卒採用ではさらに加速しています。大卒求人倍率は1.71%と、前年から0.13ポイント上昇しました。これは、2023年卒採用の前年比0.08ポイント上昇と比べても高く、企業の採用意欲は高まっているといえます。

企業規模別でみると、5000人以上では0.41倍であるものの、300人から4999人までは1倍を超え、300人未満の企業にいたっては6倍を超えています。総じて学生が優位な状況であることに変わりはありません。

また、内定出しの時期も年々早まっています。選考解禁の6月1日時点で、既に内定率は79.6%と、現行の就活スケジュールになった2017年卒以降、高い水準で推移しています。

初めて内定を取得した時期のピークは3月で、全体の約2割が取得しています。また就職確定先から内定を取得した時期は5月と6月が最も多く、17.8%。6月をピークに7月、8月は昨年並みの数字に落ち着いています。

学生の就職活動自体が早い時期から始まっており、3月頃から内定が出始め、大手企業の内定結果を見極めた6月に最終的に就職先を決めていることがわかります。早くから動き、早期に内定を獲得し、6月前後まで就職活動を続けるという、早期化と長期化が2024年卒の傾向といえます。

――ほかに特徴はありますか。

栗田:インターンシップや1day仕事体験に応募した学生と参加した学生の割合は、ともに90%を超え、どちらも前年を6ポイント以上、上回っています。インターンシップに参加した企業、または同業種の企業に入社する予定の学生は69.3%です。企業の状況を見ると、2023年卒の内定者の中に自社インターンシップ参加者がいた企業は82.4%と、採用活動・就職活動におけるインターンシップの影響力は高まりつつあります。

ただし、採用数に占めるインターンシップ参加者の割合は27%です。約7割がインターンシップ以外の経路で採用されていることを考えると、インターンシップに参加しないと内定がもらえないわけではないことがわかります。

また、採用活動におけるウェブとリアルのハイブリッド型が定着しつつあります。合同セミナーや企業セミナーなどはウェブ開催が人気ですが、最終面接は対面のみで実施するという企業が7割近くに上ります。

――2024年卒採用で成功した企業には、どのような傾向がありますか。

栗田:多くの企業が採用充足に苦戦する中、ホームページや就職情報サイトで母集団を集めることに加え、SNSの活用、スカウトサービスや逆求人型サービス、あっせんサービスといった新たな手法もフル活用して学生との接点を増やした企業が多く見られました。

特にいま注目されているのは、スカウト型です。企業のオファー数は、2023年卒採用時には中央値で100人程度でしたが、2024年卒採用時には150人程度に増えました。

新しい手法を取り入れるのか、それとも従来の手法にとどまるのかが、選ばれる企業になるかどうかの分かれ道になるでしょう。

栗田さん photo

学生にとって最も魅力的なコンテンツは、いきいきと働いている先輩社員

―― 2025年卒採用の見通しをお聞かせください。

栗田:今後、労働力人口は確実に減少します。2023年卒で採用予定数を充足できた企業は4割と、2012年卒の調査開始以来、過去最低の採用充足率でした。2024年卒採用は、2023年卒採用よりも内定辞退率が高くなっているといわれており、2025年卒採用における企業の採用意欲はより高まることが予想されます。

採用活動におけるオンラインと対面の使い分けは、このまま定着していくと考えています。新型コロナウイルス感染症の影響による行動制限がある程度落ち着いたとしても、オンラインでの採用活用は学生と企業の双方にとってメリットが大きい手法です。ただし、最終面接のような場面では対面が良いと考える企業は多いため、オンラインの拡充と対面の使い分けの流れは、一層強まっていくと考えられます。

三省合意の改正により、2025年卒からは、5日以上のプログラムで一定の要件を満たしたインターンシップについては、そこで得た評価情報などを、3月からは広報活動、6月からは選考活動に活用できることになりました。また、1day仕事体験のような短日のプログラム(オープンカンパニー)も企業や業界理解のために重要であると示されたことから、短期のプログラムも増えていくと考えられます。

――2025年卒採用において企業はどう動くべきだとお考えですか。

栗田:企業にとって厳しい状況に変わりはありません。まずは、学生の選択肢に入れてもらうことが重要なので、学生との接点を数多くつくる必要があります。例えばオープンカンパニーのように、企業理解や業界理解につながる接点の場を設けていくことが重要です。

また、学生にとって最も魅力的なコンテンツは、現在、いきいきと働いている先輩社員の姿です。働きやすい環境か、やりたい仕事ができているかなど、学生が知りたい情報を本当に伝えられているでしょうか。まずはどれだけ情報開示できているかを、見直してみることをおすすめします。

企業を理解してもらうことはもちろん大切ですが、学生一人ひとりのことを企業がよく理解し、よりよい職業人生を送れるように支援することがこれからの採用活動では特に大事になっていくと思います。

言語化が難しい学生の魅力を、よりシンプルな手法で企業に届ける

―― 2025年卒採用に向けた、貴社の商品やサービスコンセプト、特徴を教えてください。

大貫:リクナビは「誰もが『社会への一歩目』を、もっと自分らしく踏み出すことができる社会へ。」というビジョンを掲げています。

我々が大切にしているキーワードが、二つあります。一つは「出会うまでをシンプルに」、もう一つは「決めるをインタラクティブに」。学生と企業が出会うまでの「時間の制約」「コストの制約」「心理的負荷」を解消し、コミュニケーションをとる時間を増やすことで学生と企業が相互に理解を深めた上で、就職・採用を決めてほしいと考えています。「リクナビ」を通じて、学生と企業の出会いがもっとシンプルになり、インタラクティブなコミュニケーションの機会が増えるとうれしいですね。

――具体的にどのようなサービス、取り組みを考えていますか。

大貫:これまで、学生はOpenESページでの自己PRを200字以上記入すると、企業からインターンシップや1day仕事体験への案内が届く仕様でした。しかし、フリーワードの文章で自分をアピールすることが苦手な学生にとっては記入のハードルが高いという課題がありました。

そこで、「リクナビ2025」からは、スキルや経験項目の登録機能を用意し、タップするだけで「PRポイント」を登録できる新機能を充実させています。学生の強みを、より細かく表現できるようにしました。登録するスキルや経験項目は、「学業について」「学生時代の経験」「資格」「スキル」「希望勤務地域」「仕事に対する価値観」「志望志向」の七つのカテゴリーに分かれています。例えば、学生時代の経験では「サークルの代表をしていた」「SNSのフォロワーが〇万人以上」などを細かく選ぶことができます。強みになるスキルや経験の言語化を支援できる仕組みになっています。

この新機能によって、学生の登録スキルや経験項目に注目した企業から、インターンシップや1day仕事体験への案内や、3月以降はスカウトのメールが届くようになります。

独自のアルゴリズムによって、送信先や送信タイミングを最適化して自動配信されるようになっていることから、企業はより多くの学生にオファーを届けることができます。

大貫さん photo

――採用活動を本格化する企業に向けて、メッセージをお願いします。

栗田:まずは採用担当者の皆さまが現在の採用市場の厳しさを経営陣に伝え、学生と企業が、選び選ばれる関係をつくるためにはどうすればいいのかを真摯(しんし)に話し合うことが大切です。学生から選ばれる企業という視点で社内を見直し、環境や制度を整備すること。情報を開示し、アピールできる企業をつくらなければ、数年後の存続さえ危うい状況だと経営陣が理解している企業ほど、採用活動がうまくいく傾向にあると感じます。

大貫:企業の採用活動は年々、二つの観点から難易度が高まっていると感じています。一つは、学生の就職活動の時期や行動、手法が変化していること。もう一つは、企業の採用意欲が非常に旺盛になっていることです。

採用活動は、大量応募・大量採用の時代から、個々のマッチング重視の時代に変わっています。その中で、学生から選ばれる企業であり続けることは重要です。学生一人ひとりに興味をもち、理解し、相互に納得し合うコミュニケーションを作り出す先にしか、採用の成功はないだろうと感じています。

我々は、さまざまな手法にチャレンジしながら、マッチングの確度を高めていきます。企業の皆さまとも一緒に考え、よりよい採用活動の実現に向けて取り組んでいきたいですね。

企業データ

社名 株式会社リクルート
本社所在地 〒100-6640 
東京都千代田区丸の内1-9-2グラントウキョウサウスタワー
事業内容 日本国内のHR・販促事業及びグローバル斡旋・販促事業
設立 2012年10月1日
代表者名 代表取締役社長 北村吉弘

会社情報

企画・編集:『日本の人事部』編集部

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