学生のビジネス感度を高め、短期間での成長を促す
質重視の新卒採用ニーズに応える「日経就職ナビ」
学生は業界や企業の研究を進める中で徐々にビジネス感覚を身につけ、意識が社会人へと近づいていくと言われる。つまり、就職活動そのものが学生の成長を促す大事なプロセスなのだ。ところが、主要就職サイトのオープンが12月になった現在では、学生の成長に必要な企業研究のための時間が十分にとれなくなっている。こうした状況の中で、学生のビジネス感度を高める就職サイトとして注目されているのが「日経就職ナビ」だ。日本経済新聞の豊富なコンテンツを多数掲載し、「質重視」の新卒採用ニーズに応える同サイトの取り組みについて聞いた。 (取材日/2012年12月4日)
準備期間の短期化により学生の企業研究不足が続く
----2014年度の新卒採用戦線では、どのような動きが予想されますか。
前年の2013年度新卒採用では、主要就職サイトのオープンが12月になった影響として、多くの企業から「学生の企業研究不足」を指摘する声が聞かれました。基本的には、今年もこの問題にどう対応していくのかが大きなテーマになりそうです。
短期化の影響として、エントリー数が減少したというデータも出ています。ただ、一人の学生が100社以上エントリーすることも珍しくない現状では、その中にあまり意味のないエントリーも相当含まれるはずです。今までが多過ぎたのだと考えれば、昨年程度のエントリーの減少はさほど問題にならないでしょう。むしろ、準備期間の短期化によって、学生が業界研究や企業理解が不足したままで面接に臨むことの影響のほうが大きいと思います。
※( )内は前年同期調査の数値
※文系または理系を回答していない企業があるため、全体の割合と文理の割合は一致しない
出展:株式会社ディスコ 「採用活動に関する企業調査」(2012年5月)
企業研究が足りない学生を面接しても、当然「志望動機が弱い」「自分の言葉で話せていない」といった印象を受けるでしょう。厳選採用を徹底すれば不採用とするところですが、学生の大半がそういう状況では、企業側が目標としている採用数の達成が危うくなります。志望理由などが少々弱い学生でも、今後の「伸びしろ」をある程度予測して内定を出したのが2013年度採用だったのではないでしょうか。
学生の大半は、1年上の先輩の動きを見て、12月から動けば問題ないと考えているようですから、2014年度もこの傾向が続くのは間違いありません。企業研究が十分でない学生にどう対応するか、また、そういった状況でも意識の高い学生をいかに集めるかが企業側の課題となるでしょう。
こうした「企業研究不足」の影響をより強く受けるのは、大手ではなく、中堅・中小企業です。この数年の傾向として、中堅・中小企業も視野に入れて就職活動をする学生は着実に増えていますが、就職準備期間が短期化したことで、優良な中堅・中小企業の情報に学生がたどり着かないという問題が生じているからです。
せっかく中堅・中小企業に目を向けている学生と採用意欲の高い企業が存在するのに、出合いのチャンスが少ないのは、実にもったいない話です。「日経就職ナビ」では、その部分の橋渡し役になることを目指し、さまざまな取り組みを行っています。
日本経済新聞の記事やデータを活用したコンテンツが豊富
---「日経就職ナビ」の特色についてお教えください。
やはり、最大の特色は「日本経済新聞」のブランドを冠した就職サイトだということです。日経はビジネスパーソンの必読紙というイメージがあるため、「ビジネス感度」「情報感度」の高い学生が多く利用しています。参画されることで、意識の高い学生層を中心に母集団形成ができることは大きなポイントだと思います。
「日経就職ナビ」は、豊富なコンテンツによって学生の業界研究を後押しし、その成長を促すことにも力を入れています。就職サイトのコンテンツと言えば、適職診断や自己分析のためのテストなどが定番ですが、「日経就職ナビ」には日経新聞の記事やデータ、ランキングなどを活用した第三者視点からの客観的な情報も多数掲載しています。これらの記事やニュースを読みこなし使いこなすことで、学生はそれまでに知らなかった「隠れた優良企業」との接点を持つことができます。また、「日経就職ナビ」に登録すると日経電子版の無料会員IDを簡単に取得できるシステムを設けるなど、学生が生の企業情報に接するチャンスを増やすため、徹底的に工夫しています。
実際に、学生の意識を調査してみると、早い時期から業界研究を進めていた学生ほど、中堅・中小企業の中にも優良企業があることを知っていて、そういう企業の方がやりがいのある仕事ができるのではないかと高い関心を持っていることがわかります。むしろ、業界や仕事に関する研究が不足している学生ほど、知名度やイメージだけを頼りに大手を志望しているケースが多いようです。
業界研究は大変な作業ですが、このプロセスによって学生が成長する効果は大きいと言われています。「日経就職ナビ」に参画して質の高い学生を採用できたという声は、中堅・中小企業からも多数いただいていますが、その理由はもともと意識の高い学生の利用が多いことに加えて、さまざまなコンテンツを読み込むことで、企業を見る視点が養われている効果が大きいと思っています。
---具体的なサイトの機能について、お聞かせください。
就職サイトとしては、参画されている各企業のページを学生にいかに見てもらえるかが重要です。ただ、大手・有名企業以外は社名での検索で企業ページに到達してもらうのは難しいでしょう。そこで、「日経就職ナビ」では学生一人ひとりのサイト内での動きを分析して、その学生が興味を持ちそうな、あるいは何らかの接点がありそうな企業を「おすすめ」として表示する「レコメンド機能」を装備しています。理論上、サイトを使い込めば使い込むほど精度の高いレコメンドが表示されますので、就職活動に熱心に取り組んでいる学生ほど有用な情報が得られる仕組みになっています。
中堅・中小企業、および地方を拠点とする企業を支援するコンテンツとしては、「5年間黒字の中堅・中小企業特集」と「エリア情報ページ」が、閲覧回数も多く好評です。いずれも優良企業の必須条件である収益性、あるいは地元に根ざした企業活動など、学生からの関心度が高い切り口で企業をリストアップした特集ですが、日経新聞のデータやランキングをベースにした第三者視点からの情報であることが学生からの信頼性につながっています。こうしたページにとりあげられた企業が「日経就職ナビ」に参画されると、相乗効果で非常に良い結果を生んでいるようです。
また、動画による情報提供、スマートフォン対応、多機能なエントリー管理システムなど、就職サイトとして求められる基本機能はすべて網羅しています。学生に直接アプローチできるダイレクトメール機能は、学生のメールアドレスに直接送信できるのが特色です。一般的なメールよりも開封率が格段に高いため、「知名度のあまり高くない企業でもDMを読んでもらえる」と高い評価をいただいています。
学生の企業研究をサポートするさまざまな取り組み
---その他にも企業と学生の出合いを生むために、さまざまな工夫をされているとお聞きしました。
この数年、就職指導に熱心な大学では積極的に優良な中堅・中小企業の情報を求めています。大学としては、情報が少ない中で大手だけを狙って失敗する学生を出さないために、「中堅・中小にもこれだけ優良企業があるんだ」ということを学生に具体的に示したいわけです。
そういった大学からも非常に高い評価をいただいているのが、大学への求人票配信システム「Uni Career」(企画・運営:ディスコ)です。採用したい大学や学部単位で、きめ細かい配信指定ができ、「日経就職ナビ」に参画されると、無料でご利用になれます。大学によってはUni Careerを大学独自の就職プラットフォームに採用して、キャリアセンターでの指導に利用されているケースもあります。学生の応募を待つだけでなく、欲しい学生のいる大学に向かって「攻めるツール」として、ぜひ活用していただきたいサービスです。
また、学生に「企業研究のやり方を知ってもらう」ための活動にも力を入れています。従来は、就職活動を通して徐々に学んでいくことだったのですが、準備期間が短縮されたことで、それほどのんびりしてはいられなくなりました。具体的には、中堅・中小企業の情報が豊富な「日経産業新聞」を各大学に配布したり、日経産業新聞の編集長に大学主催の就職セミナーで講演をしてもらったり、といった活動を行っています。地道な取り組みではありますが、優良企業を探すためのノウハウを多くの学生に知ってもらうことで、「日経就職ナビ」と掲載されている中堅・中小企業への注目度も確実に高まっていると思います。
---「日経就職ナビ」を利用することのメリットや、その際のポイントがよく分かりました。本日はお忙しい中、ありがとうございました。
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企業データ
社名 | 株式会社 日経HR |
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本社所在地 | 〒101-0045 東京都千代田区神田鍛冶町3-6-3 神田三菱ビル6F |
事業内容 | 事業内容 あらゆるメディア・手段を通して、職業・仕事に関する情報流通の場を提供します。 就職サイト「日経就職ナビ」 転職サイト「日経キャリアNET」 人材育成サイト「社会人基礎力.net」 大学教職員向けサイト「日経キャリア教育.net」 市販書籍「日経就職シリーズ」 市販雑誌「日経キャリアマガジン」 |
設立 | 1979年(昭和54年)3月1日 |
代表者名 | 代表取締役社長 長谷川 俊男 |