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インタビュー
株式会社学情 Web事業推進部 高畑広基ゼネラルマネージャーに聞く

新スケジュールに対応し、マッチング機能を大幅強化
中堅・中小・ベンチャー企業に特化した「あさがくナビ」

業績の向上などを背景に、企業の新卒採用に対する意欲は、規模を問わず高まっている。この傾向を敏感に察知し、学生の大手志向は例年以上に強まっているようだ。一方、「採用広報解禁3月、選考開始8月」となった新しい採用スケジュールによって、人事部門のマンパワーが十分とは言えない中堅・中小・ベンチャー企業では、例年以上に負担が強いられている。それらの企業が課題の多い環境下で2016年卒、さらには2017年卒の採用を成功させていくには何が必要なのか。中堅・中小・ベンチャー企業の採用支援に豊富な実績を持つ「あさがくナビ(朝日学情ナビ)」の高畑広基ゼネラルマネージャーに、新卒採用活動の現状とそのための対策について、詳しいお話をうかがった。 (取材日/2015年6月10日)

「採用広報解禁3月、選考開始8月」の新スケジュールで何が起きたのか

―― まずは、現在進行中の2016年卒採用戦線を、どのように分析されていますか。

今年の最大のトピックスは、経団連の「採用選考に関する指針」に基づいて、「採用広報解禁3月、選考開始8月」となった新スケジュールでしょう。その影響はデータにもはっきりと出ていて、2015年卒では5月の段階で約90%だった国公立・私立上位校の学生の内定率が、2016年卒では30%前後に留まっています。大手企業はエントリーを受け付けた後、順次エントリーシートの提出期限を設定して、書類選考を行っています。8月前後から一気に選考を進めて、内々定を出すことになるでしょう。大手にとって今年の8月は、超短期決戦になりそうです。

株式会社学情 Web事業推進部 高畑広基ゼネラルマネージャー新スケジュールは原則として経団連加盟企業を対象としたものなので、それ以外の中堅・中小・ベンチャー企業や外資系企業では、すでに選考を開始しているケースも少なくありません。しかし、学生の多くが「大手の選考結果が出るまでは就活をやめない」という意向なので、企業側も内々定をなかなか出せないのが実情のようです。弊社が行ったアンケートでも、既に内定を得た学生の約75%は「就職活動は継続する」と回答しています。大手企業以外も、「採用広報解禁3月、選考開始8月」という新スケジュールを前提に採用活動を行っていかなくてはならないのが現状と言えそうです。

―― 企業の採用意欲はいかがでしょうか。

引き続き、非常に高いと感じています。特に円安・株高の環境の恩恵を受けやすい大手企業が新卒採用を積極的に進めていて、学生の大手志向をさらに刺激しています。必然的に、中堅・中小・ベンチャー企業が採用目標を達成するためには、これまで以上に採用活動に力を入れなくてはならない状況になっています。

弊社の「あさがくナビ(朝日学情ナビ)」2016年卒版の掲載社数は、前年比で約20%増えています。新たに参画された企業のほとんどは、中堅・中小・ベンチャー企業。事情をお聞きすると、「従来掲載していた巨大就職サイトでは、大手企業の影に隠れてしまう」「中途採用や第二新卒採用を行っていたが、それだけでは採用目標を達成できそうにない」「合同説明会のみで採用してきたが、今年からはナビも併用しないと難しいと判断した」といった声が多くありました。各社とも、強い危機感を持っているという印象です。

利用が増えているのは、ナビだけではありません。弊社の合同説明会「就職博」も、参画社数を大幅に伸ばしています。中堅・中小・ベンチャー企業にとっては大手の結果が出た後が本番とよく言われますが、新スケジュールにより、昨年までならゴールデンウィーク明けから翌春まで約10ヵ月あった採用期間が、2016年卒では9月以降の約7ヵ月になります。その対策として、ナビとイベントを併用されるケースが増えているようです。

大手・有名企業志向を強める学生、対策を模索する企業

―― 2016年卒の学生の動きを、詳しくお聞かせください。

企業の採用意欲の高さは、学生の動きに大きな影響を与えています。大部分の学生は就活に対して楽観的になり、動きが遅くなっています。「のんびりしている」と言ってもいいかもしれません。一般的な大学では3年生の春に就職活動に向けたガイダンスを行うのですが、例年に比べて学生の参加率は低く、問題視していた大学もあったほどです。

株式会社学情 Web事業推進部 高畑広基ゼネラルマネージャーその結果として、3月の採用広報解禁時になっても、自己分析や業界研究が全くできていないという学生も多かったようです。エントリーシートの締め切りになっても書けない、提出できないという事態も多かったと聞きます。こうした学生の多くは、漠然と大手・有名企業志向で活動していますが、ほとんどの場合、8月以降に現実に直面することになります。彼らが、中堅・中小・ベンチャー企業も視野に入れた活動にスムーズに移行できるように支援することも、就職サイトの大きな役割だと考えています。

それに対して、3年生の段階からインターンシップに積極的に参加するような就職に対する意識の高い学生は、その存在感が際立っていました。おそらく、内々定をすでに複数確保しているはずです。近年、学生の「二極化」が指摘されていますが、その傾向にさらに拍車がかかっているのは間違いないようです。

―― 企業側の対策はいかがでしょうか。

こうした学生の動きはある程度予測できたことであり、すでに前年からインターンシップ活用に積極的に取り組む企業が増えていました。本来のインターンシップは、学生の職業観を育むことを目的としていますが、はっきり採用活動の一環と位置づけて取り組むケースも増えていると思います。また、大手だけでなく中堅・中小・ベンチャー企業にインターンシップの活用が広がってきたのも、2016年卒採用の特徴といえるかもしれません。

ただし、やはり基本となるエントリー数確保(母集団形成)という面では、中堅・中小・ベンチャー企業が相当な苦戦を強いられているのは間違いないですね。学生の大手志向が強いことに加え、自己分析や業界研究を経て中堅・中小・ベンチャー企業にまで視野が広がってくる時期が、新スケジュールの影響によって遅くなっていることが影響しているようです。

従って「まずは数を集めて」というこれまでのやり方から、「効率よく採用する」戦略に切り替えることが、ますます重要になると思います。特に中堅・中小・ベンチャー企業の場合は、採用業務に割り当てられるマンパワーが限られますので、エントリーからセミナーへの移行率を上げる、そのうえで秋から翌春までの長期戦の中で最終的に採用目標を達成する、といった現実に即した戦略を考えていく必要があります。「あさがくナビ」もそのあたりを意識しながら、各企業を支援していきたいと考えています。

高いセミナー移行率を実現、イベントとの連動も強みの「あさがくナビ」

―― 就職サイト「あさがくナビ」の特色をお教えください。

株式会社学情 Web事業推進部 高畑広基ゼネラルマネージャー「あさがくナビ(朝日学情ナビ)」の特色は、中堅・中小・ベンチャー企業の新卒採用支援に特化した就職サイトであることです。規模や売上高などの数字に表れにくい企業の良さを「見える化」して伝える編集を徹底しており、学生から「優良な中堅・中小・ベンチャー企業を探すなら『あさがくナビ』がよい」と高く評価されています。昨年からは女優の高畑充希さんをイメージキャラクターに起用したプロモーションにも力を入れ、大学内外のポスターやネット上の広告などを通じて、「規模や知名度にこだわらない会社選び」を一貫して訴えています。その結果、登録学生のほぼ80%以上が中堅・中小・ベンチャー企業を視野に入れた就職活動を意識しています。

中堅・中小・ベンチャー企業の採用活動で重要なのは「効率性」です。母集団の数だけ増やしても、業務が増えるばかりであまり意味はありません。採用につながる確率の高い学生を集めることが大事なのです。学生と企業の効率的なマッチングのためには、独自の人工知能(AI)を使った「パーソナライズド・レコメンデーション」という機能を採用しています。「あさがくナビ」サイト内での一人ひとりの閲覧履歴を分析し、本人が探したかった情報、見落としてしまっていた情報などを的確に届けます。また、「あさがくナビ」では一括エントリーの機能を設けていません。学生が興味を持った企業に一社ずつエントリーする方式を採用しています。その結果、昨年実績でエントリーに対して40%以上のセミナー移行率を実現しています。

「あさがくナビ」のもう一つの強みは、弊社の合同説明会「就職博」との連動です。学生とリアルの場で出会える「就職博」は、もともと中堅・中小・ベンチャー企業にとって効果的な採用ツールとして実績があります。学生からの人気も高く、2016年卒対象の来場者数は対前年40%アップで推移しています。弊社ではこのイベントとナビを組み合わせることで、より高い効果を実現しています。特に夏からのセカンドステージでは、有効に活用できるものと思っています。

―― 2017年卒採用に向けては、どのような方向性をお考えでしょうか。

就職サイトの基本である「マッチング機能」の強化は引き続き行っていきます。レコメンドの精度の向上、スマートフォンでも情報を探しやすいサイトへのリニューアルなどを計画しています。資本業務提携している朝日新聞のコンテンツを使って、「中堅・中小・ベンチャー企業で働くことの魅力」を紹介。優良企業の探し方・見分け方などをアドバイスする読み物の充実にも力を入れていきます。

「就職博」との連動では、テーマを絞り込んだ指向性の高いイベントへの注目度が高くなっています。たとえば、理系採用企業よりも「理系女子採用企業」、自動車業界よりも「カーテクノロジー(自動車部品)業界」といったところまで細分化することで、マッチング率がより高くなることがわかりました。エリア限定イベントなどとも組み合わせて、より新しい提案ができると思います。

また、インターンシップについては、新たにインターン専門サイト「あさがくナビ インターン・ジョブズ」を立ち上げました。採用ツールの一つとして活用できるほか、長期・有給のインターンを戦力として受け入れたいというIT業界やベンチャー企業などのニーズと学生をつなぐサービスです。2015年5月のオープンですが、意識の高い学生に出会え、さらには1年生・2年生といった早い段階で優秀な学生と接触できる可能性もあると、すでに多くのお問い合わせをいただいています。今後も「あさがくナビ(朝日学情ナビ)」を中心に、あらゆるニーズにきめ細かく対応していきたいと考えています。

会社情報

企画・編集:『日本の人事部』編集部

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