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インタビュー
株式会社学情 執行役員(企画部・Web事業推進担当) 乾 真一朗氏
株式会社学情 Web事業推進部 サブマネージャー 澤井 則明氏に聞く

早期化への対応、限られた母集団形成が重要なテーマ
AI・最新システムを活用して“手間のかからない”ダイレクトリクルーティングを実現する「あさがくナビ」

2020年卒の採用活動は例年通り、3月1日広報開始、6月1日選考開始というスケジュールで行われたが、実際には前倒し傾向がさらに顕著になった。インターンシップを通じて、企業が早い段階から学生と接触していたほか、一部の企業は2月からエントリー予約を受け付けていた。それでも「十分な母集団を確保できない」「目標採用人数に届かない」といった悩みを持つ企業は依然として多い。さらに2021年卒の採用活動では、経団連の指針廃止による影響が懸念されている。企業は今後、どのようなスタンスで採用活動を展開していけばいいのか。「あさがくナビ」の運営責任者である株式会社学情 執行役員の乾真一朗氏、Web事業推進部・サブマネージャーの澤井則明氏にお話をうかがった。

企業、学生いずれにもインターンシップの位置付けが一段と高まる

―― 2020年卒採用の印象をお聞かせください。

株式会社学情 執行役員(企画部・Web事業推進担当)乾 真一朗氏、株式会社学情 Web事業推進部 サブマネージャー 澤井 則明氏

乾:2019年卒採用と比べて、学生の優位性が際立った印象があります。当社の調査によると、9月時点での内定率は過去最高の87.7%を記録しました。企業側は非常に人材を採りにくかったようで、新卒採用の活動を早期に切り上げる企業がやや増えました。採用が終わったからではなく、「これ以上投資をしても採れない」と判断したようです。それに伴い、既卒・第二新卒の採用に予算を振り分ける企業が増加。弊社が運営する「Re就活」が、その大きな受け皿となりました。

澤井:2020年卒採用では、インターンシップが定着しました。前年の7月時点での実施企業は64.9%で、3分の2に迫る勢い。インターンシップを行わなければいけない、というトレンドができたようです。また、就職情報媒体各社が2月からエントリーの事前予約ができるという情報を提供したことで、早めに学生たちが就職活動を始めました。2月末までにはある程度企業選びを終えて、3月からは企業セミナーに行く、という流れです。2019年卒と比べると、1ヵ月半ほど早く学生が動きました。

―― インターンシップを実施する企業がかなり増えたことで、企業の採用活動にはどのような影響があったのでしょうか。

澤井:3月以降に応募した学生よりも、インターンシップに参加した学生の内定率がかなり高くなりました。企業は、インターンシップ終了後も学生と継続してコミュニケーションを取り続け、学生もその企業への思い入れが強くなる。8割強の企業がインターンシップ参加学生に内々定を出しています。

―― 3月1日以降の動きはいかがでしたか。

乾:前年度と比べて、トレンドはそれほど大きく変わっていません。選考を開始する時期は、「2月以前」が5ポイントほど上がりました。4月までに内々定を出す企業も増えました。学生と接触するタイミングが早かったので、その分内々定が出るのも早かったのでしょう。

一方で、内々定の辞退者数は昨年を上回りました。売り手市場が高まったことで、本来マッチングしない層も含めて、早めに内々定を出した企業が多かったからだと思われます。中小企業の場合、大手企業の動きを待っていたら良い人材を採用できません。早めに内々定を出し、自社や社員の魅力をうまく伝えれば大手に勝つことができると期待し、先んじて動いた中小企業が多かったのでしょう。結果的にそれが、内々定辞退率の高まりにつながったようです。当社の調査によると、企業が採用活動上の課題と考えているのは「内定辞退の防止」が5年連続でトップを占めています。どうすれば辞退を防止できるのか、悩んでいる企業は多いようです。

―― 学生の就職活動の状況についてうかがえますか。

株式会社学情 執行役員(企画部・Web事業推進担当)乾 真一朗氏

乾:8割弱の学生がインターンシップに参加していました。ここ3年くらいは、毎年10ポイントのペースで増えています。以前はインターンシップが行われるのは夏季が中心でしたが、近年は実施時期が幅広くなり、実施企業数や一社当たりの開催数も増えたので、多くの学生がインターンシップに参加するようになりました。

澤井:2019年卒と比べると、プレエントリーの数は減りました。以前は学生が企業を選ぶ際には「とりあえず興味のある企業に応募しておく」という考え方が主流でした。しかし最近は、実際にセミナーに行く企業にしか応募しなくなっています。本当に興味のある企業をじっくりと選んでからセミナーに行った方が効率的だと考える学生が年々増えているようです。

乾:一人当たりの受験社数は、増加しました。2月までに興味のある企業をリストアップしたことで、3月以降の動きに時間の余裕ができたようです。これまではすべてのステップが3月・4月に集中していましたが、2020年卒採用では3月以降の作業が減った分、1社あたりに掛けられる時間を増やすことができ、受験する社数が増えたのだと思います。

―― 学生からの内々定辞退や承諾などに関する相談が増えているそうですね。

乾:志望理由があやふやな状態なのに内々定を取れたとか、意中ではないけれどとりあえず受けた企業から内々定をもらえた、というケースが増えているからです。本来なら学生が「この企業で働きたい」と確信するようになってから内々定が出るべきですが、その前に出てしまう。自分自身はそれほど評価されたという認識がない段階で内々定が出ることで、悩んでしまう学生は多いようです。

澤井:売り手市場では、志望理由や自分の強み、特徴をしっかりとアピールしなくても、企業が内々定を出すことがあります。しかし、軸が明確ではなく曖昧なままで入社すると、1~2年で離職してしまうこともあるので、注意が必要です。

売り手市場が続くだけに、母集団を大量に集めるのはもはや困難

―― 2021年卒の採用動向をどのようにご覧になっていますか。

乾:売り手市場が続きそうです。企業のインターンシップに対する意識は高く、採用意欲も旺盛です。景気の先行きは不透明ですが、新卒採用に大きな影響はないでしょう。

株式会社学情 Web事業推進部 サブマネージャー 澤井 則明氏

澤井:今年のインターンシップでは、1、2年生でもキャリア教育の一環として参加する傾向が見られました。また、周囲を気にしながら動くような学生も、早めに情報収集をするようになっています。しかも、昨年以上のペースで動いています。

―― そのような動向を踏まえて、企業にはどのようなアドバイスをされますか。

乾:売り手市場が続くので、大勢の学生を集めて母集団を形成することが難しくなっています。限られた母集団をどうやって採用へと結びつけるのか。限られた母集団だからこそ、確率の高い学生を集める施策を採ることをお勧めします。中途採用に近い戦法を採るべきです。数を集めるのではなく、採るべき人材を的確に採用するように活動をしなければ成功しないと思います。

―― 学生に向けたアドバイスをお聞かせください。

澤井:多くの情報があふれていますが、自分で足を運んで、いろいろな情報を見聞きするべきです。業界や職種、将来のありたい姿を考えながら行動し、納得した企業を選んでほしいですね。

乾:すぐに通年採用になるわけではありませんが、何年か先には、スキルを持った学生、第二新卒層のマーケットがもっと広がっていくはずです。会社に入社できても、安心してはいられません。自分が何をやりたいのか、どんなキャリアアップをして人生を過ごしていくのかを考えながら、就職活動をしてほしいと思います。

自社に合う学生にピンポイントでアプローチできるサイトを目指す

―― 2021年卒採用に向けた、貴社の取り組みをお聞かせください。

乾:「あさがくナビ」は、日本最大級のダイレクトリクルーティングサイトとしての取り組みを強化していきます。数十万人の学生に求人情報を発信して応募を待つだけではなく、自社に合う学生一人ひとりにリクルーティングしていこう、という考え方です。

澤井:リニューアルして2年目を迎え、2021年卒採用ではサイトをさらにバージョンアップさせていきます。キーワードは「手間のかからない」こと。例えば、AIスカウト機能によってその企業の応募データの属性を分析し、プレエントリーにつながりやすい学生をレコメンドします。また、スカウト条件にチェックをつけると、簡単に学生が抽出されるようになっています。スカウト原稿もテンプレートを組み合わせることで、簡単かつオリジナリティの高い文面が作成できます。

サポート機能を充実させることで、ダイレクトリクルーティングで運用工数がかかる作業を軽減し、質の高い応募者を集めるとともに、企業の説明会や面接、内定者フォローなど本来の採用業務に注力いただく時間をしっかり確保いただけるようにサービス提供をしていきたいと考えています。

乾:限られた母集団との連絡を多角的にできるような工夫も行っています。学生が慣れ親しんでいる、LINEを活用したコミュニケーションサービス「あさがくナビコミュニケーター」も用意しました。セミナーの案内やファイルの送信が可能ですが、LINE経由だと開封率が格段にアップします。応募した企業とのコミュニケーションであればブロックされにくいので、連絡も取りやすくなります。

澤井:ターゲットが異なりますが、外国人留学生向け就職情報サイト「あさがくナビ Japan Jobs」も新たに立ち上げました。外国人留学生が日本国内で働くための入管法が2019年5月末に改正され、大学で学んだことを活かせる仕事や、日本語能力を生かせる仕事など一定の要件を満たせば、就職できるようになりました。そうした流れを受けての取り組みです。このように、AIスカウト、「あさがくナビコミュニケーター」、「あさがくナビ Japan Jobs」の三つが、2021年卒採用に向けた弊社の主要な施策です。

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企画・編集:『日本の人事部』編集部

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