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インタビュー
株式会社学情 執行役員(企画部・Web事業推進部担当) 乾真一朗氏
株式会社学情 Web事業推進部 マネージャー 澤井則明氏に聞く

Z世代と呼ばれる学生のニーズを捉え、
企業の魅力をさまざまな仕掛けで発信する「あさがくナビ」

コロナ禍での新卒採用も2年目を迎え、企業・学生ともにオンラインの活用に慣れつつある。一方で、オンライン化による弊害やマイナス面も出てきており、いかにして克服すればいいのか、多くの企業が悩んでいる。2023年卒の採用活動をどう展開していけば良いのか。「あさがくナビ」の運営責任者である株式会社学情 執行役員の乾真一朗氏、Web事業推進部・マネージャーの澤井則明氏にお話をうかがった。

エントリーは増えたものの、企業理解が進まなかった2022年卒採用

―― 2022年卒採用ではどんな傾向や課題があったのか、おうかがいしたいと思います。まず、インターンシップの参加状況はいかがでしたか。

株式会社学情 執行役員(企画部・Web事業推進部担当)乾 真一朗氏

澤井:企業も学生も、コロナ禍での活動にかなり慣れていた印象があります。当社の調査では、インターンシップに参加した学生は全体の78.5%でした。ただし、オンライン形式のインターンシップが多く、学生がリアルな就業体験をなかなかできなかった点は課題といえます。

乾:オンライン形式が定着したことで、半日から1日で完結する「短時間のプログラム」が増えました。そのため、参加した数を競い合う学生もいたようです。しかし、4社、5社と数ばかり増やしても、自分のやりたいことが見つかるわけではありません。結果的に何も得られなかった、というケースも多いようです。

―― 2021年3月以降の動きはどうでしたか。

澤井:学生のプレエントリーやセミナーエントリーが大幅に増えました。たとえば、51社以上にプレエントリーした割合は11.6%で、2021年卒の7.6%、2020年卒の8.9%と比べて、最も多くなりました。セミナーエントリー数も同様で、31社以上に申し込んだ割合は12.3%で、2021年卒の5.2%、2020年卒の3.8%を上回っています。また、インターンシップ時期から活動していた学生は、コロナ禍にもかかわらず、企業との接点をしっかりとつくっていました。

一方、面接を受けた社数は2021年卒より少し減っています。その背景には、今のZ世代の学生ならではの特性があります。オンライン、リアルに限らず、さまざまな情報を収集するのは得意だけれど、実際のアクションは弱い、という点です。

乾:当社では内々定率調査も行っていますが、2020年卒、2021年卒と比べると、2022年卒予定者は最後まで過去2年を上回る高い数字でした。業界によって差はありますが、総じて企業の採用意欲は旺盛で、売り手市場が終わった印象はありません。

もちろん、学生全員がハッピーだったわけではありません。多くの企業から内々定を得ている学生と、そうではない学生の二極化傾向がありました。大学では、就職活動で進展がない学生と連絡がうまく取れなかったことも多かったようです。学生同士もそうですが、キャリアセンターと学生の間でも、以前のようなコミュニケーションや情報交換ができなくなっているのが、コロナ禍ならではの大きな課題です。

オンラインとリアルの使いこなしが、2023年卒採用成功のカギ

―― 2023年卒採用に関する動向をお聞かせください。

株式会社学情 Web事業推進部 マネージャー 澤井則明氏

澤井:「あさがくナビ2023」に登録する学生を対象に行ったアンケートでは、91.2%が「インターンシップ参加、自己分析、業界研究などの就職活動の準備を進めている」と回答しています(2021年8月調査)。2020年同時期に行った調査では85.8%でしたから、「少し早く動いておかないとまずい」と認識している学生は多いようです。

当社の会員登録状況を見ても、前年比120%で推移しています。インターンシップエントリーは前年比142%、インターンシップセミナー予約は前年比174%と、大幅に増えています。

一方で、「インターンシップを実施しないと採用に影響がある」とお考えの企業も、リアルでやるか、オンラインでやるかを悩んでいることが多いようです。

採用意欲は旺盛で、2023年卒採用でも新卒、若年層の採用を強化していく必要があるという声が大半です。

―― 今後、企業はどう対応していくべきなのでしょうか。

乾:採用活動が全体的に早期化しているのは間違いありません。サマーインターンシップの時期は終了しましたが、秋から冬にかけても学生は活発に動きます。この秋は新しい学生との出会いをどのように創出・設定するかがポイントになります。

澤井:オンラインで学生に“手触り感”を感じてもらうため、どのように情報を発信するのかも、大きなテーマです。オンラインとリアルの特長をうまく組み合わせることで、学生が自社に対する理解を深めて興味を持つようになれば、2023年卒採用で成功できるのではないかと思います。

―― 企業は、採用の“手触り感”をどう演出すれば良いのでしょうか。

澤井:学生はSNSを使いこなしているZ世代です。テキストだけでいくら伝えようとしても、動画には勝てません。学生が何を求めているかを踏まえて、動画でしっかりと伝えていく必要があります。また、一方的に情報を伝えるのではなく、双方向性を意識したコンテンツを用意することも、学生の満足度を高めます。

乾:そういう意味では、リアルへの揺り戻しが出てくると考えています。当社は、2021年にリアル、オンラインの両方でイベントを開催しましたが、リアルイベントへの参加企業がかなり多かったんです。リアルの場で会うからこそ伝えられることや、学生から直接感じられることを求めているのだと思います。学生側も「この会社で本当に働いていけるのか」「自分と合っているのだろうか」ということをリアルに感じたいはずです。それはリアルイベントだからこそ、可能になるものだと考えています。

スカウト型とSNS型の二軸でZ世代にアプローチ

―― 2023年卒採用向け商品・サービスのポイントや特長をお聞かせください。

澤井:前提として、2023年卒採用には四つのポイントがあります。一つ目は、ジョブ型採用の加速。二つ目は、オンラインとリアルを組み合わせたハイブリッド型の採用がスタンダードになること。三つ目は、動画の活用。四つ目は、新卒だけではなく、20代という若年層の採用を呼びかけていくことです。

乾:その上で就職サイトに関しては、動画など、テキストだけではない情報で伝えていくことが重要になります。イベントに関しては、リアルイベントのニーズが増えています。今後、新型コロナウイルス感染症の流行状況がどうなるのかは予測できませんが、2022年卒採用よりも幅広い商品構成を提供したいと考えています。

―― 「あさがくナビ2023」は、どのような点に力を入れるのでしょうか。

澤井:「あさがくナビ」は3年前から企業紹介をスカウト型にシフトしており、今後も注力していきます。また、Z世代やデジタルネイティブ世代といわれる人たちがメインの対象になるので、そういう層にフィットした就職サイトへとシフトしていかなければいけません。SNSのように使ってもらえる就職サイトにしていきたいですね。

特に動画には注力したいと考えています。2022年卒採用のときに“職場体感型”採用動画「JobTube」をリリースしたのですが、企業からの反響が大きかったんです。応募者が増えただけでなく、採用に至った確率もかなり高かったようです。

そこで、「JobTube」シリーズの新商品を開発しました。まず「JobTubeスカウト」は、スカウトメール内に動画を入れて配信するサービスです。学生に短時間で自社のイメージをつかんでもらえるように、15秒から30秒の動画にしています。

次に「JobTube Lite」は、求人検索一覧画面で20秒または30秒の動画を自動で再生。テキストや写真だけでは伝わりにくい自社の魅力を伝えることができます。撮影する機材や場所がない企業のために報道番組クオリティのWebセミナーを制作できる「JobTube Studio」もリリースしました。

―― 最後に、今後の新卒採用活動に向けた貴社の方針をお聞かせください。

乾:就職サイトは長年、母集団形成のツールでした。しかし、近年の学生は自分の働きたいと思う会社にしか応募せず、厳選している傾向です。それだけに、学生が本当に働きたいと思える正確な情報を企業が発信する就職サイトを作っていかないといけません。企業と学生の両方に“手触り感”を感じてもらえるようなサービスを、これからも開発していきたいですね。

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企画・編集:『日本の人事部』編集部

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