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インタビュー
株式会社学情 執行役員(企画部・Web事業推進部担当) 乾真一朗氏
株式会社学情 Web事業推進部 マネージャー 澤井則明氏に聞く

意識するのはSNS。
Z世代と呼ばれる学生の視点に立ったコンテンツを提供する「あさがくナビ」

コロナ禍も3年目を迎え、社会は落ち着きを取り戻しつつある。オンラインとリアルを併用する、ハイブリッドな採用活動を行う企業も増えてきた。ただ、学生への接触はますます早期化しており、企業の悩みは尽きない。果たして、2024年卒採用はどう進めていけば良いのか。「あさがくナビ」の運営責任者である株式会社学情 執行役員の乾真一朗氏、Web事業推進部・マネージャーの澤井則明氏にお話をうかがった。

企業は早期から学生に接触。内定出しにつなげた2023年卒採用

―― 2023年卒学生にはどのような特徴がありましたか。

株式会社学情 Web事業推進部 マネージャー 澤井則明氏

澤井:学生は、夏季のインターンシップに積極的に参加していました。オンラインとリアルのハイブリッドで、企業と密に接触しています。一方で、オンラインイベントのメリットはいつでもどこからでも参加できることですが、対面でしか感じられないことが体験できないことに対する不満や物足りなさを感じた学生もいたようです。

また、就職活動の早期化はある程度高止まりしている印象があります。6月ぐらいから情報収集を始め、翌年の3月から面接選考対策に入る動きが固定化しつつありますね。エントリー数は減り、最近だと10社ぐらいの中から企業を選ぶ動きが定着化してきました。

乾:学生は就職活動が厳しいという感覚はないままインターンシップに参加していて、検討する企業数を大きく広げる動きはありませんでした。

―― 企業側の動きはどうだったのでしょうか。

澤井:インターンシップでしっかりと母集団を集められていて、学生の企業理解や職業意識の醸成を実現できている場合は、スムーズに内定が出せています。そういう企業はオンライン面接とリアル面接の両方を取り入れて、学生に“この企業がいい”と思ってもらえるようなコミュニケーションをとっています。一方うまくいってない企業は、インターンシップにあまり力を入れず、採用は3月以降に始めれば良いという動きをしていて、軒並み苦戦しています。

当社では「Re就活」という、20代向けの就職・転職支援サービスも提供しているので、それも活用しながら、秋にかけて採用を続けたいという要望をいただいています。ある程度の採用数を補填しなければいけないといった危機感をお持ちの企業が、22年卒よりも多いように感じています。

乾:企業にアンケートを取ると、内定辞退の防止に課題を感じている企業が圧倒的に多いですね。インターンシップから採用活動を始めることに慣れて、早期から学生と接触して内定出しにつなげることは順調に行われていますが、23年卒はこれまでと比べて内定辞退者が増えたようです。

―― 採用に成功した企業と失敗した企業には、それぞれどのような傾向があったのでしょうか。

澤井:学生へのアンケートを見ると、面接官とのコミュニケーションの取りやすさや、自身の熱意を企業に理解してもらえていると感じられたことが、企業への意識醸成において非常に役立っています。それができていた企業は、採用がうまくいっているようです。一方で、母集団を集めてエントリーシートで選抜したり、オンラインで大量に面接したりするなど、これまでの採用スタイルを続けている企業は、厳しい状況が続いています。

乾:インターンシップ期の活動は、母集団形成に意識が集中する傾向があります。リアル開催であればワークショップなどで業務体験ができますが、オンラインで簡易に済ましてしまいがちです。接触数は多いけれど学生一人ひとりにかける時間が減った企業が多かったのではないかと思います。

Z世代と呼ばれる今の学生は、「働きやすい、生きやすい」ことを重視したり、SNSなどで“いいね”をもらいたいという承認欲求があったりします。そのため、一律に企業や業務の説明をするだけでは、会社に対する就職意欲は高まらないと思います。インターンシップの在り方や進め方が内定辞退につながっているのではないでしょうか。

採用活動に資するインターンシップの在り方が問われる2024年卒採用

―― 2024卒の学生の動きはどうでしょうか。

澤井:当社サイトのデータを見ると、4月から開始した会員登録は昨年比で1.1~1.3倍に増加しています。PVは平均で1.5倍、ユーザー訪問数も1.3~1.5倍。就活の早期化が進んでいることもあり、学生の動きも昨年以上に早期から活発化しています。

株式会社学情 執行役員(企画部・Web事業推進部担当)乾真一朗氏

乾:いま、ほとんどの学生が日常生活に戻り始めていて、リアルなイベントにも足を運ぶようになっています。環境だけで言えば、2021年卒のインターンシップ時期に戻りつつあります。求人数もコロナ禍前に近い状況で、学生優位で激しい採用活動が行われている状況です。

―― 学生の動きを受けて、企業はどう動いて行けば良いのでしょうか。

乾:学生も企業も、「インターンシップの時期の活動が就職活動」という感覚を持っていると言って良いでしょう。また、直近でインターンシップに関する政府指針の改正がありました。2025年卒採用から、ある特定の条件下でのインターンシップにおいては、接触した学生の個人情報をそのまま採用活動に使えるように緩和されます。ただ、実際はすでにインターンシップの時期から採用活動に取り組んでいる企業もありますし、この発表を誤解して2024年卒採用から動きだしても良いと受け取っている企業もあると思います。学生のキャリア支援に資するためのインターンシップはどうあるべきかをあらためて考え、実践していくことが大事になるでしょう。

澤井:Z世代と呼ばれる方々が、どのような時代背景や環境で成長してきたか、何に興味・関心があるかなど、もう少し寄り添った採用選考や企業情報の提供を行う必要があります。たとえば社会貢献への意識も高いため、パーパス(企業の存在意義)について質問する学生もいます。丁寧に説明したり、さまざまな階層の人と話をする機会を設けたりするなど、対面で生の声が聞ける環境を作ると、企業理解がより進み志望度が上がると思います。

―― 内定辞退の解決策はありますか。

乾:本当に自分が働きたい、納得できる仕事であると内定者に腹落ちさせることが大事です。ただ、社員との懇親会を開催したとしても、効果はあまり期待できないでしょう。インターンシップの時期に学生と向き合い、理解と共感を得ることこそ重要です。インターンシップの時期に学生一人ひとりと意識共有を図るのです。そうすることで内定辞退率は必然的に下がっていくと思います。

―― コロナ禍が続いたことで、「ガクチカ(大学で力を入れたこと)を聞かれても困る」という学生が数多くいます。どのようにコミュニケーションを取って行けば良いとお考えですか。

澤井:当社としては、企業に「ガクチカを聞くのはやめてください」とお願いしています。というのも、それを聞いたところで生産的なコミュニケーションにはつながらないからです。むしろ学生の人となりや、どういうことが好きかなどを聞く等身大のコミュニケーションによって、その人の良さや、自社に合うかを判断しなければいけないと思います。

企業の魅力をより伝えていくために、動画の商品群・サービスを拡充

―― 2024年卒向けの商品・サービスのコンセプトや特長をお聞かせください。

澤井:「あさがくナビ」は、今年のオリコン顧客満足度(R)調査で「就活支援コンテンツ」にて、第1位を獲得しました(※2022年 オリコン顧客満足度(R)調査 逆求人型就活サービス 就活支援コンテンツ 第1位)。学生に大変満足いただいていると自負しています。評価いただいた点をしっかりと磨いていきたいですね。

サービスの特徴としては、Z世代の方の就活に関する嗜好性に合わせた商品開発に注力しています。ポイントである動画コンテンツの商品群・サービスを拡充。ダイレクトリクルーティングサービスに関しては、引き続きOne to One マッチングの改善・改修を進めます。

新商品・新サービスとしては、“職場体験型”採用動画「JobTube」シリーズのまとめサイトをリリースする予定です。特徴は縦型動画であること。TikTokのように数秒~数分程度で企業を理解できる動画などバリエーションを増やし、まとめたサービスサイトにします。

サイトのトップページには、「JobTube縦Lite」という縦型の動画を複数ご用意しています。約30秒で企業の魅力をダイレクトに伝える商品で、去年の12月ごろからテストで導入しているのですが、大変効果が高いですね。内容やシチュエーションに合わせて動画を作り、企業の雰囲気をより伝えることが、重要なテーマです。

乾:今や学生のほとんどは、Webサイトへスマートフォンでアクセスしています。そうなると、もはや我々のライバルは競合の就職サイトではありません。生活の隙間時間で見られるTikTokやYouTubeといったSNSと勝負していくことになると思います。より学生視点に立ったコンテンツを提供していきたいと思っています。

―― 機能開発でこだわった点はありますか。

澤井:これまで、ダイレクトリクルーティングサービスでは、会員登録にあたり学生にガクチカを任意で書いてもらうようにしていました。今年からは、項目数を大幅に減らした代わりに「アピールポイント」という項目を設けて、自己PRにつながるハッシュタグを気軽に選んでいけば、自身の特長やアピールポイントが作れる機能を開発しました。

―― 最後に、今後の新卒採用活動に向けた貴社の方針をお聞かせください。

乾:キーワードはZ世代です。彼らは、自分に合ったもの、自分がやりたいこと、自分が希望する生活が実現できるかどうかをしっかりと見極めようとする世代です。だからこそ、学生が知りたい企業の実状を届けていけるサイトにしていきたいと考えています。

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企画・編集:『日本の人事部』編集部

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